2021.11.05
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、企業がデジタルの力を活用することで、新たな商品・サービス・ビジネスモデルを創出し、組織体制・企業風土までをも変革させ、競合他社に負けない組織をつくることです。
今回は多くの企業が抱えるDXについて、改めてその概要や取り組むべき理由・失敗要因や成功事例などを、わかりやすく解説いたします。皆様の理解に、本記事が少しでも参考になれば幸いです。
この記事を読んで欲しい方
・デジタルトランスフォーメーションの概要を「わかりやすく」理解したい
・デジタルトランスフォーメーションへの着手に関心がある
・なぜ企業がDXに取り組むべきか、改めて理解したい
・関心があるものの、具体的な取り組み方がわからず手つかずになっている
・デジタルトランスフォーメーション導入のきっかけがほしい
目次
「デジタルトランスフォーメーション」の意味は広義にわたりますが、日本の経済産業省が定義する「企業におけるDX」をまとめると、以下のように要約できます。
企業がデータとデジタル技術を駆使して、
1.製品・サービスを、より顧客や社会のニーズに適したものへ変革する
2.ビジネスモデルそのものを、より顧客や社会のニーズに適したものへ変革する
3.組織の業務プロセスや組織体制を変革、結果として企業文化や風土にも変革が起こる
4.1~3を実現することで、競争優位性の高い企業を実現する
要約すれば、企業がデジタルの力を活用し、商品やサービスそのものはもちろんビジネスモデル・組織の仕組みそのまでをも変化させ、競合他社に負けない組織をつくることがDXといえます。
【参考】DXとは、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することを指します。
(引用: デジタルトランスフォーメーションを推進するための ガイドライン|経済産業省)
「デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)」が敢えて「DT」と略されない理由としては「Transformation」という用語が、しばしば「X-formation」と表記されることに由来します。
「Trans」は「cross=交差する」と同義で扱われるケースがあることから、crossを「X」と表記されることに起因し、「Digital X-formation=DT」という略称で用いられるようになりました。
混同されがちな、デジタイゼーション・デジタライゼーションとの定義の違いについても、改めて確認しておきましょう。簡単にまとめると以下のようになります
・デジタイザーション アナログからデジタルへの移行のこと。
例)紙ベースで管理していた顧客リストを、データベース化する。
・デジタライゼーション デジタル化されたデータを用いて、作業の進め方やビジネスモデル等を変革すること。
例)紙ベースで管理していた顧客リストをデータベース化したことで、紙媒体の管理の手間や紛失トラブルの懸念がなくなり、営業担当者の業務が大幅に効率化された。
一見すると「デジタライゼーション」と「デジタルトランスフォーメーション(DX)」との違いはわかりづらいですが、前者では変革の対象が技術であるのに対し、後者は組織や人材をも変革の対象として含んでいる点に明確な差異があります。
デジタルトランスフォーメーションの例)
紙ベースで管理していた顧客リストをデータベース化したことで、紙媒体の管理の手間や紛失トラブルの懸念がなくなり、営業担当者の業務が大幅に効率化。またデータ化したことで、顧客情報を営業部署だけの資産でなく、マーケティングチームと共有できるようになった。営業担当者の集めた顧客情報に対し、マーケティング担当者が「メルマガ」配信や「イベント告知」といったアプローチを、最適なタイミングでかけられるように。結果として、売上は前年比1.5倍にまで成長し、また営業とマーケティングチームが協力し合う組織風土が生まれた。
多くの企業がデジタルトランスフォーメーションの必要性を理解しながらも、具体的なアクションに踏み切れないという現状があります。何が障壁となっているのか、その要因と改善策について見ていきましょう。
ただ自動化ツールを導入することや、既存の仕組みをデータに落とし込むことといった、表面的なアクションを目的にしてしまうとDX は実現しません。
なぜなら「根本的に企業の課題が何なのか、そしてそれをデジタルの力でどう改善していくか」を明確化し、そこに適切なアプローチを仕掛けた結果、起きるのがDXだからです。デジタル化はそれ自体がゴールではなく、あくまで企業が飛躍的に成長するための一つの手段に過ぎません。
まずは経営幹部層が、組織全体における根本的な課題をしっかりと洗い出し「なにが問題なのか」の共通認識をもつことが重要です。その上で、新たなツールを導入するのか・デジタル人材を雇用するのか・あるいは外部からDXに知見のあるコンサルタントを呼ぶのか等、必要な打ち手を検討するフェーズへと移行します。
「企業の DX 化」という言葉が一人歩きするも、実際には経営層がその必要性を実感しておらず、後回しにしているといったケースは少なくありません。
そもそも「なぜうちの会社にデジタルトランスフォーメーションが必要なのか、それによって具体的にどういったメリットがあるのか」について、まずは経営者ないし幹部層が正面から向き合って思考し、自らに腹落ちさせることが、DX成功の最初の一歩です。
また実際にデジタル化を進めるとなれば、過去にないものを組織に導入することとなるため、一時的に大きな人的・金銭的・時間的なコストが発生することは否めません。社内での反発も考えられる環境下で、新たなルールや仕組みを現場レベルに落とし込むためには、経営者をはじめとするトップ層の「なんとしてもデジタル化で起業を変革する」という、強い意欲・働きかけが必要不可欠となります。
デジタル化が自社にもたらす根本的なメリット見据え、長期的な視点から計画的に行動することが、経営層がDXで成功を掴むために必要なアクションです。
デジタルトランスフォーメーションに取り組むべきメリットは、データやデジタル化をうまく活用することで、過去にないような飛躍的な成果をあげられたり、お客さんに求められる画期的な商品・サービス・ビジネスモデルを世に排出できたりするためです。
競合他社がDXを用いて優位性を実現していく中、規模を問わず企業が生き残るためにはDXへの理解・取り組みが必要不可欠です。
以下では、実際に当社がコンサルタントとして携わらせていただいた企業さまのうち、結果的にデジタルトランスフォーメーションへの糸口が掴めた、1つの事例をご紹介します。
【株式会社キャリアサプライさまの事業内容】
労働者派遣業・有料職業紹介事業・教育研修事業・委託事業
マーケティング・オートメーションツール(以下MAツール)の導入により「効率的な顧客アプローチの仕組み化」を実現された、人材総合サービスを扱う企業さまの事例です。
コロナ以前は「反響営業中心」の体制で数字が上がっていたものの、コロナ化になり「新規顧客の獲得」への課題が浮き彫りになり「社内の営業体制について見直したい」とのことでご相談をいただきました。
紙名刺のまま管理されていた顧客情報をデータに落とすことで、MAツールを用いてのメルマガ配信に活用することをご提案。HP更新やLP作成・資料ダウンロードなど、WEB施策とも掛け合わせながら、デジタル化の導入で、受け身中心だった営業体制を、自社からアプローチを仕掛ける攻めの体制へと転換されました。
また今後の取り組みとして、対面とオンライン授業とを使い分けられるハイブリッド型の教育事業や、オンライン専用のカウンセリングサービスのリリースといった、デジタル化を活用した新規事業の確立も検討されています。
データ・デジタルの力を活用することで自社の弱みをカバーし、新たな組織体制へと移行されつつある企業さまの事例です。
▼「コロナ禍になって売上急降下。直接的な営業ができずに始めたマーケティング施策。CX Value Labさんが危機的な状況を救ってくれました。」
今回は「デジタルトランスフォーメーション(DX)」について、概要やその必要性・失敗要因や成功事例などをお話ししました。DXそのものを企業の課題に据えるのではなく、企業がより長期で成長し続けるための課題解決の手段に、デジタル・データの活用があると考えれば、自ずとDXへの心理的ブロックが緩和されるのではないでしょうか。
まずはDXの本質的な意味を理解し、次に貴社の抱える組織課題の洗い出し・明確化から着手されてみることをおすすめします。
また「DXについて理解を深めたい」「企業課題の洗い出しに力を貸してほしい」「課題に対して、デジタルを用いた効果的なアプローチを提案して欲しい」といった方は、企業に合わせたオーダーメイド型コンサルを強みとする、当社「CX Value Lab」へのご相談もお待ちしております。
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