2022.02.16
社内業務の一部を外部に委託することで生産性の向上を図る手段を「アウトソーシング」といいます。人材不足の深刻化や人件費の削減がうたわれる昨今、アウトソーシングの有効活用は企業の必須課題とも言えます。
今回は導入のメリット・デメリットを中心に、アウトソーシングの詳細についてお話しします。
目次
アウトソーシングとは、本来社内でおこなう業務の一部を外部企業へ委託することを指します。
専門的なノウハウが必要とされる業務を外部のプロフェッショナルに依頼する、あるいはルーチンワークを外部に委託して社員をコア業務に集中させることで、サービス品質の向上や生産性のアップを図ることができます。
アウトソーシングの対象となる主な業務は以下のように、非常に多岐にわたります。
従来はマニュアル的な業務・バックオフィス業務を外部へ委託するのが一般的でしたが、昨今では自社に不足した新たなノウハウや技術力を求め、企画や施策の実行・分析といったノンコア業務をアウトソーシングする企業も増加しています。
その背景として、日本の経済産業省も推奨するDX(デジタルトランスフォーメーション)への対応や、複雑化した市場に対処するマーケティング分野の攻略を、多くの企業が課題としてあげるようになったことが考えられます。
アウトソーシングのうち、このような企業の「ノンコア業務」を一括して外部に委託するものを「BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」といいます。
【アウトソーシング・BPO事業の市場規模の推移】
新型コロナウイルスによる経済活動の停滞を踏まえた上でも、ビジネスのグローバル化促進やコストの最適化・働き方改革にともなう業務改善といった変化に伴い、アウトソーシング・BPO市場は今後もその影響を上回る勢いで拡大すると予想されています。
アウトソーシングには、企業の成長を促進する上で複数のメリットがあります。
・専門性の高い人材に業務を任せられる
・自社社員がコア業務へ集中できる
・人件費・固定費を削減できる
導入を検討する前に、改めて主要なメリットを見ていきましょう。
自社で対処の難しい専門的な業務をアウトソースすることで、生産性や品質の向上を見込むことができます。とくにIT・マーケティング・コンサルティング業務など、高い専門性が必要とされる分野で大きな効果を発揮します。
例えば「自社顧客の市場分析をしたい」となった場合、自社で一からマーケティングを学ぶより、マーケティング分野に精通した外部企業へ依頼した方が、より高い品質の仕事をスピード感をもって仕上げられるでしょう。
専門分野のアウトソースでは長期的な外部委託だけでなく、コンサルティングなどスポット的な利用も有効です。
バックオフィス業務やルーチンワークを外部へ委託することで、自社社員は営業活動やサービス開発、経営戦略の立案など企業の売上に直結するような「コア業務」のみに注力できるようになります。
「営業」の業務を例にあげると、テレアポや見積書・請求書の作成といった「営業のサポート業務」を外部に委託し、社員は商談や受注といったノンコア業務のみに集中するといった具合です。
ノンコア業務の主なものとしては、総務・経理・事務などバックオフィスの仕事や、コールセンターなどの問い合わせ対応業務があげられます。
アウトソーシングの魅力は「必要な時だけ、必要なリソースを購入・利用できる」ことです。会社の状況や業績に応じて柔軟に委託分を決められるため、余分な人件費や固定費を払い続けるリスクがありません。雇用で発生する人材採用費・教育費なども削減が可能です。
とりわけ今後の見込みが立てづらいスタートアップ企業や、少数精鋭で事業を回す中小規模の会社におすすめです。アウトソーシングによって固定費の負担を軽減しながら、事業規模の拡大を図ることができます。
メリットがあげられる一方、懸念点も存在します。
・社内ノウハウが蓄積されない
・導入までの労力がかかる
アウトソーシングで発生しうるデメリットについても確認しておきましょう。
専門的な業務を外部のプロに任せられる点はアウトソーシングの大きなメリットである一方、社内にノウハウが蓄積されない・専門家が育たないといった懸念もあります。
「将来的にインハウスに変えたい」業務に関しては、依頼先と定期的なすり合わせをおこなう・外注内容全体を把握する社内担当者を配置するなどの工夫が必要です。
アウトソーシングを利用するには、導入までに以下の手順が必要となります。
外部委託の導入前後では、業務整理やフローの作成・引継ぎなどで通常より多くの人的コストの発生が見込まれます。またアウトソーシング後も外部先との連携が定着するまでは、予想外のトラブルや、やり取りに手間取る可能性も考えられます。
アウトソーシングを導入する際は、コストの二重化や予期せぬ問題の発生を念頭に踏まえ、無理のないスケジュールで進めるようにしましょう。
アウトソーシングを有効活用することで、限られた社内リソースでも効率的に業務をおこなうことが可能となります。弊社が過去に携わらせていただいた中で、アウトソーシングを上手く活用されている企業様の事例をご紹介します。
事業内容:ヘルスケア事業
アウトソーシングの導入背景:ターゲットが広がり販路拡大したため、社内でやるべき業務が多岐に渡り、リソース不足に陥っていた。
もともと冷暖房機器の販促をメイン事業とされていましたが、冷暖房をふくむ空間設計までをサポートするようビジネスモデルを拡大。それに伴い顧客層も、戸建てにお住いの個人のお客様やゼネコン・公共企業など多岐に広がり、対応するリソース不足が問題となりました。
そこで顧客対応の満足度を高めるため、コールセンターの外部委託を導入することに。複数のコールセンター企業にて料金・サービスを比較検討し、相性の良い企業へアウトソースを依頼しました。
運用開始時は同社で構築したコールセンターのシステムを、外注先の方に使っていただきながらシステムの改善をおこないました。「どんな電話がかかってきたか、どんな問い合わせがあったか」をコールセンタースタッフがミスなく履歴が残せる仕組みを構築し、カスタマーサービスの骨組みを作ることができました。
また顧客関係の最適化をはかるためのメルマガ運用や、サービスの業務フロー改善なども弊社にて提案させていただきました。MA(マーケティングオートメーション)ツールの選定から、実際に運用してみての効果検証など、マーケティング関連の業務を一貫してサポートさせていただきました。
「社内で実施すべき業務と手放す業務」とを切り分け、「手放せる業務」は外部に委託することで、限られたリソースの中でも成果の最大化を実現することができます。
事例ページ:コロナ禍のいま、DXが進む中で「時間」はどの企業にとっても唯一 平等。効果検証をする仕組みを習慣化できたのは、CX Value Labさんの伴走あってこそです。
アウトソーシングの導入は社内のリソース不足を補い、業務量を最大化する上で非常に有効な手段です。また効果的に活用することで、人件費のコストコントロールやサービス品質の向上を見込むこともできます。
アウトソーシングサービスの需要は人材不足が深刻な昨今、ますます高まっていくことが予想されます。メリット・デメリットを的確に把握した上で、自社に最適なアウトソーシングの導入を検討しましょう。
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