2022.02.21
リードナーチャリングは、自社の「見込み顧客」を対象にアプローチを仕掛けるマーケティング施策です。企業間の競争が激化するなか、リードナーチャリングへ取り組む重要性はますます高まりを見せています。
今回はリードナーチャリングの概要や主な施策内容について、初心者の方にもわかりやすく解説させていただきます。
【この記事でわかること】
目次
リードナーチャリングとはその名の通り、見込み顧客(Lead)を育成(Nurturing)することで商品の購買意欲を高め、優良顧客へと導くマーケティング手法のことです。
見込み顧客とは現時点で自社の商品やサービスを認知しており、興味関心が高まれば顧客になる可能性のある層を指します。
獲得した「見込み顧客」に対し、メール配信やセミナーなどで定期的な接触をはかり、信頼関係を構築。「自社商品にすごく興味がある」「熱心に申し込みを検討している」という段階(ホットリード)まで顧客の熱量を高めます。
リードナーチャリングとしばしばセットで使われる「リードジェネレーション」とは、自社商品に関心を持ちそうな見込み顧客を集めるため、潜在顧客層にアプローチを仕掛ける施策のことを指します。両者の関係性は以下の通りです。
リードジェネレーションの主な施策としては、セミナーやイベント開催といったオフラインの活動に加え、オウンドメディアやWEB広告・ホワイトペーパーの配布といったオンラインの方法もあげられます。
【おすすめ記事】「潜在顧客」と「見込み顧客」の違いとは│見つけ方と最適なアプローチ手段を紹介
またリードナーチャリングを実施した見込み顧客の中から、より角度の高いユーザーを絞り込むことを「リードクオリフィケーション」といいます。
企業に対してサービスの販売活動をおこなうBtoBの分野では、リードナーチャリングの活動が非常に重要です。
こういった特徴をもつBtoBビジネスで競合他社に負けないためには、検討期間中の小まめなフォローがカギを握ります。しかし長期にわたり営業がフォローすることは難しいため、マーケティング施策やツールを活用したリードナーチャリングが必要なのです。
またデジタル化に伴い、従来は受け身だった各企業の担当者が、自らオンラインを駆使して積極的に情報収集するようになりました。テレアポや飛び込みで顧客を獲得できていた時代とは異なり、いかに競合より早く見込み顧客と接触しホットリードまで育成できるかが、昨今企業の大きな課題となっています。
BtoC向けのビジネスでもBtoBと同様、潜在顧客のタイミングで見込み顧客を発掘し、リードナーチャリングをおこなうことが大切です。その背景にはユーザーの情報収集能力の向上に伴う、購入プロセスの複雑化があげられます。
とくにBtoC分野でも不動産や自動車・住宅のリフォーム工事など、金額が大きく意思決定に時間を要する買い物は、リードナーチャリングによる定期的なフォローが大きな効果を発揮します。
リードナーチャリングの定番施策としては
などがあげられます。それぞれの内容について具体的に見ていきましょう。
メール配信は、リードナーチャリング手法の中でも非常におすすめ度の高い施策です。一定間隔で見込み顧客にメールを配信することで、自社への理解や関心を高めてもらうことができます。
メール配信のうち最も定番とされるのが、ユーザーへ定期的に有益な情報を提供する「メールマガジン(メルマガ)」という手法です。
【メルマガでリードナーチャリングをおこなう例】
■企業向けの会計システムを扱う会社:見込み顧客に役立ちそうな「経理業務」や「仕事効率化」に関するホワイトペーパーやブログ、またサービスを導入した企業の成功事例などをコンテンツとして配信。自社や会計システムの必要性を、段階を追って理解してもらう。
■コーヒー豆のECサイト:「家庭でできる美味しいコーヒーの淹れ方」や「気分で選ぶおすすめの豆の種類」など、コーヒー好きなユーザーがワクワクする情報を定期的に配信することで、顧客との信頼関係を構築する。
またメルマガはしばらく接触のないユーザーに「そう言えば、以前この会社のサービスが気になってたんだよね」と思い出してもらう効果も期待できるなど、休眠顧客の発掘にも有効です。
【おすすめ記事】休眠顧客を掘り起こすメール例文をご紹介!低コストで案件獲得
「定期的なメール配信が効果的なのはわかるけど、膨大な見込み顧客に対して、社内の限られたリソースで対応するのは難しい」
そんなときに大きな支えとなるのが「MAツール(マーケティングオートメーションツール)」というシステムです。MAツールを活用することで、顧客の属性に応じたメールの配信や、メール開封率や期間の測定などを自動化することができます。
MAツールによるメルマガ配信の例
以下では、実際に弊社でMAツールの導入を支援し、効果的なリードナーチャリングを実践されている企業様の事例を紹介しています。
「株式会社 キャリアサプライさま」の、MAツールを活用したリードナーチャリングの事例
リードナーチャリングの手法として2つ目にご紹介するのが「セミナー」もしくはオンライン開催の「ウェビナー」です。
セミナー開催は見込み顧客を集客する「リードジェネレーション」としての機能を備える一方、既存の見込み顧客・休眠顧客のニーズを見たし、購買フェーズを高める手段としても有効です。
効果的にセミナーを開催するためには、見込み顧客の段階にあわせて、知りたいであろうテーマを選定することが求められます。
【セミナーでリードナーチャリングをおこなう例】
■WEBマーケティングのコンサルティング会社:企業向けにWEBマーケティングに関するセミナーを定期開催することで、顧客の「知りたい欲求」を満たし関係を深める。「インハウスでSEO対策をおこなう方法」や「知っておきたいWEB広告の知識」など、企業のWEB担当者が気になるような内容を提供する。セミナー後はアンケートで角度の高い見込み顧客を選定し、無料相談などに繋げる。
またオフラインのセミナーとオンラインのウェビナーでは、集客力やリードナーチャリングの効果として、以下のような違いが見られます。
セミナー | ウェビナー | |
メリット | ・角度の高い見込み顧客を集客できる。 ・対面でコミュニケーションが取れる分、ナーチャリングの効果が大きい。 | ・参加ハードルが低く、大人数を集客しやすい。 |
デメリット | ・参加ハードルが高く、集客人数にも限りがある。 | ・参加者の角度が読めない・熱量の低い見込み顧客も集まりやすい。 ・コミュニケーションが一方通行になりやすく、角度を上げづらい。 |
ホットリードへ繋げやすい「セミナー」では参加ハードルを下げるよう工夫する、「ウェビナー」ではオフラインに負けない満足度の高いコンテンツ作りを意識するなど、特徴に応じた取り組みや、段階に合わせた使い分けが重要です。
リードナーチャリングの方法として3つ目に紹介するのが「リマーケティング広告」です。リマーケティング広告とは、過去に自社のWEBサイトやサービスページを訪問したユーザーに対象を絞って広告を表示する手法です。
すでに自社のサービスや商品に関心のある見込み顧客をターゲットにするため、効率よく購買意欲が高められる、問い合わせに繋げやすいといった利点があります。
また対個人向けの商品など単価の低いものに関しては、リマーケティング広告から直接購入や問い合わせに転じるケースも少なくありません。
【リマーケティング広告でリードナーチャリングをおこなう例】
■BtoB企業:以前、サイトへ訪問し「サービスページ」や「事例ページ」を閲覧したターゲットを対象に、無料相談申し込みのバナー広告を表示。問い合わせへ繋げる。
■BtoC企業:過去に自社のECサイトを訪れたユーザーに、類似商品や新商品のバナー広告を表示し再訪や購入をうながす。
費用対効果の良いマーケティング手段として、リマーケティング広告は非常におすすめの方法です。ただし、しつこい広告表示はブランドイメージの悪化や見込み顧客の離脱を招いてしまうので、出稿頻度や表示タイミングは慎重に調整しましょう。
今回は「リードナーチャリング」をテーマに、概要や重要とされる背景・どういった施策があるか等をご紹介しました。
【今回のポイント】
リードナーチャリングをおこなうために、まずは自社の見込み顧客データを整理し、必要なアプローチを検討することから始めてみてはいかがでしょうか。
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