2022.02.28
LINE公式アカウントの導入を飲食店のようなBtoCのサービスにおすすめする理由は、ずばり「1度の来店の成果を最大化」できる施策だからです。
今回はLINE公式アカウントを導入すべき理由を詳しく解説した後、どんな機能が使えるかや導入の手順などもご紹介します。
LINE公式アカウントの運用を強くおすすめする背景には、多くの店舗や企業が抱えている「リピーターが獲得できない」という悩みがあります。
まずは飲食店によくある「集客」のお悩み事例を見てみましょう。
【お悩み事例】
美味しい創作料理の居酒屋を個人で経営する「〇✕居酒屋」。新規顧客の集客は「ホッ〇ペッパー」のような飲食予約サイトで主におこなっています。
予約サイト経由で毎月そこそこのお客さんが来店してくれますが、2回目・3回目と足を運んでもらうことができていません。予約サイトの掲載料は毎月10万円ほど、またサイトに掲載する割引クーポンも発行するため、結果的に赤字ギリギリの状態が続いています。
「どうにかリピーターを増やしたい」と紙のスタンプカードを始めたものの、作るのを断られたり、再来に繋がっていなかったりと苦戦しています。
このように「1度目は来てくれても、その後の来店に繋がらない」と悩んでいらっしゃる飲食店や中小規模の店舗さんは少なくありません。
新規顧客を集める手段として「ホッ〇ペッパー」のような予約サイトは勿論有効ですが、お客様がリピートしてくれなければ採算が取れないケースも多いです。というのも新規顧客を獲得するためには、既存のお客様に利用してもらう場合の5倍のコストが発生するといわれているためです。
この事象をマーケティング業界では「1:5の法則(既存顧客コスト:新規顧客コスト)」といいます。
事業やお店を大きくするために勿論新規のお客様も大事ですが、安定的に売上を伸ばすためには、なるべく低コストで利益につながるリピートのお客様を、いかに増やすかが鍵となります。
このように「1度目の来店は赤字でもリピーターになってもらうことで、半年や1年と長いスパンをかけて初期投資分を回収しよう」という考え方に基づいた指標を、LTV(ライフタイムバリュー)といいます。
LTVの考えに基づけば、お客さんが生涯にわたってお店に落としてくれる売上(生涯価値)から逆算して、初期費用にどれくらいかけられるか?を検討することもできます。
【おすすめの記事】LTV(ライフタイムバリュー)の意味や計算方法を事例をつかって解説
この章の内容をまとめると以下のようになります。
前置きが長くなりましたが、この「リピーターを獲得することで安定的な収益をあげる」ために最適な施策が、「LINE公式アカウントの運用」です。
LINE公式アカウントとはご存知のとおり、店舗や企業が運用するビジネス向けのLINEアカウントのことです。お客さんに友達追加をしてもらうことで、一斉メッセージやクーポンが送れたり、LINE上でショップカードを利用することも可能です。
LINE公式アカウントで使える機能には、以下のようなものがあります。
【覚えたい機能】
機能名 | 内容 |
メッセージ | ・アカウントを友達追加してくれたユーザーに、一度に500文字まで一斉メッセージを送ることが可能。 |
リッチメッセージ | ・画像付きでメッセージが送れる機能。ユーザーの目に留まりやすい上、リンク付きの画像を配信することでサイトへの誘導も促せる。 |
リッチメニュー | ・トーク画面の下部(キーボード部分)に大きく表示される、タイル状のメニュー。ここからアクセス情報やサービスの予約・ショップカードの表示などが選択できる。 |
ショップカード | ・LINE内で作成できる「ポイントカード」機能。ユーザーがQRを読み込むと、アプリ内のショップカードにポイントが貯まる。紙カードのように無くす心配がなく安心。 |
クーポンの作成・発行 | ・「500円OFF」や「ドリンク1杯無料」のようなクーポンを、アプリ内で発行してメッセージで配信できる。 |
個別チャット | ・通常のLINEアプリのように、個別にチャットすることも可能。 |
あいさつメッセージ | ・ユーザーがLINE公式アカウントを友だち追加した際に、あらかじめ設定したメッセージを自動送信する機能。 |
応答メッセージ | ・ユーザーが何かしらのメッセージを送ったタイミングで、あらかじめ設定したメッセージを自動配信する機能。メッセージの内容に応じて配信内容を分ける「AI応答メッセージ」もある。 |
【使いこなしたい応用機能】
機能名 | 内容 |
絞り込み配信 | ・性別や年齢・都道府県や友達期間など、ユーザーの属性を選択し配信先を絞り込むことができる。 |
ステップ配信 | ・事前に用意したメッセージを、追加からの日数やユーザー属性に応じて、段階的に送り分けることができる。 |
基本的な機能を押さえた後は、お客さんの行動や属性に基づいて「絞り込み配信」「ステップ配信」といった応用機能も活用していくのがおすすめです。
先述した「ステップ配信」は、ユーザーがアカウントを「友達追加」した日を起点に、あらかじめ設定したメッセージを段階的に配信する機能です。
友達になってからの経過日数や友達追加を行った経路別に、事前設定したメッセージを送り分けることができます。年代や性別・エリア等を条件に配信の分岐点を作ることも可能です。
【ステップ配信の例】
■ワイン専門店のステップ配信
0.店舗でワインを購入されたお客様に、LINE公式アカウントへ登録いただく。
1.友達追加した日から2日後に「商品購入のお礼」について配信する。
2.追加日から1週間後に「新作ワインに関する情報」を配信する。
3.追加日から2週間後、「過去に購入した人限定で使えるクーポン券」を配信する。
来店後も定期的にメッセージを配信することで、お店やサービスへの理解や親近感が深まり、再来の可能性を高めることに繋がります。
また店舗や企業担当者としても手動でメッセージを送り分ける必要がないため、無理なく顧客とのコミュニケーションを続けることができます。
LINE公式アカウントを外部機能と連携させることで、より分析に基づいた精度の高いLINEアカウント運用を実践することも可能です。
例えば実際に弊社で取り組んでいる事例として、飲食店や小売店に設置した「レジスター」内のデータベースと、LINE公式アカウントの友達情報を連携し、より効果的な顧客のセグメントをおこなうというものがあります。
具体的には、レジに蓄積された精算データをもとに「店舗でA商品を購入した方のうち、〇〇円以上の予算を平均的に使っている顧客層(ふと客)」だけを選出し、LINEアカウントでメッセージ配信をおこなう、といった具合です。
このようにLINE公式アカウントは既存機能だけにとどまらず、外部システムと組み合わせることで、さらに効果的な施策を打つことも可能となります。
そんな運用担当者さまも少なくないのではないでしょうか?
LINE公式アカウントを導入し有効活用していくためには、運用開始までの事前準備がとても大切です。導入までの手順について解説します。
まずはサービスを利用して欲しい「理想的な顧客像(ペルソナ)」を明らかにしましょう。性別や年齢・ライフスタイルなどを具体化することで、よりお客さんに響くLINEメッセージや施策内容を検討できるためです。
例えば同じ「居酒屋」であっても、会社帰りのサラリーマンを対象にした店と若い女性グループを対象にした店とでは、配信内容や運用コンセプトも異なります。
「理想的な顧客」と言われてピンとこない方は、実際過去に来店されたお客様の中から何名かをピックアップしてみても良いでしょう。
【おすすめ記事】ペルソナ設定のすすめ – 商品・サービスが響く顧客像が明確化
ペルソナを3~4名ほど設定したら、次はそのお客さん達が「来店した経緯」や「再来する理由」など、LINE運用に必要な情報を顧客の視点から洗い出します。
【整理するポイントの例】
運用時はこの洗い出した内容を参考に、メッセージを送る頻度や内容・クーポンの内容などを検討します。
数値を用いた「目標設定」をおこないます。「毎月40人に友達追加してもらう」「友達追加5人のうち1人をリピーターにする」というように、ざっくりとした指標でも問題ありません。
目標の達成度はその都度記録し、未達時はその理由と改善策を考えるようにしましょう。
ここまで準備ができたら、LINE公式アカウントの登録に取り掛かります。個人のLINEアカウントまたはメールアドレスさえあれば、LINE公式ホームページより誰でも簡単にアカウントを開設できます。
LINEアカウントには無料のものを含め、全3種類の料金プランが用意されています。
フリープラン | ライトプラン | スタンダードプラン | |
月額固定費 | 無料 | 5,000円 | 15,000円 |
毎月のメッセージ数 | 1,000通 | 15,000通 | 45,000通 |
LINE公式アカウントの魅力は、何といっても無料で始められること。フリープラン(無料)でも毎月1,000通のメッセージを送ることができ、仮に友達が250名いたとしても毎月4回メッセージを配信できる計算です。
まずは無料のものから運用をスタートし、登録者が増えてきたタイミングで有料プランに切り替えるのがおすすめです。
登録が済んだらアカウントの各種設定をおこないます。最も骨の折れる工程ですが「運用の肝」となる作業なので頑張りましょう。
【設定する項目の例】
初期設定については「LINE公式アカウントの初期設定ガイド」ページに、詳しくまとめられています。設定時はぜひ参考にしてみてください。
今回は「LINE公式アカウント」に関してお話ししました。新規顧客に比べ費用対効果の良い「既存顧客」を獲得する上で、LINE公式アカウントの活用は非常に効果的な手段です。
使いこなすまでは大変ですが、実際に運用してみることで自然にやり方を身に着けられるでしょう。まだアカウントを導入していないという店舗や企業さんは、「ペルソナ」像を設定することから始めてみてはいかがでしょうか。
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