2022.05.30
この記事を閲覧いただいている方の中には「テレアポはもう時代遅れの営業手法なんだろうか」という疑問、不安を抱かれている方も多いのではないでしょうか。
テレアポは長きに渡り様々な企業で採用されている営業手法の1つであり、その成果の安定性から現代でも多くの会社で実践されているという事実があります。
その一方、顧客の購買行動の在り方に変化が見られるようになった昨今、テレアポに限定しない幅広い集客方法に着手する企業が増えてきています。
この記事では「なぜテレアポが古いと言われるようになったのか」の背景を確認した後、そのメリットやデメリット・テレアポと併用したい集客手法について解説いたします。
目次
「テレアポが古い営業手法だ」といわれるようになった背景の1つとして、インターネットの普及に伴うユーザーの購買行動の変化があげられます。
インターネットが普及した現在、商品やサービスに関して顧客自らが能動的に情報収集をおこなうことは当たり前となりました。企業が顧客に対面で接する時点で、すでに顧客側がWEB上で意思決定の大半を終えている場合も少なくありません。
そういった時代背景の変化に伴い「テレアポ」や「飛び込み」といった従来の営業手法が、以前に比べ成果を上げづらくなっているという事実は否めないでしょう。
また貴重なファーストコンタクトで先方へ良い印象を与えづらいという特徴もあり、本来見込み顧客になっていたかもしれない可能性を、テレアポをすることで潰してしまうといった本末転倒なリスクも懸念されます。これは中長期的な視点から見込み顧客を育成しようという昨今のマーケティング観点からすると、 ”時代錯誤の営業手法” という受け取り方をされる場合もあるでしょう。
こういった背景から、テレアポ営業は「現代の顧客ニーズに合致していない、古い手法」という声が囁かれるようになったと考えられます。
時代にあわない営業手法と言われる一方、いまも多くの企業が新規顧客の開拓に「テレアポ」を採用しているのも事実です。
なぜ様々な企業で今なお推奨されているのか「テレアポ営業をおこなうメリット」について見ていきましょう。
テレアポの大きな魅力として、人材と電話ツールさえ揃えばいつでも場所を問わず始められる、その”シンプルな構造”があげられます。他の手法のように複雑な知識や準備を伴わないため短期でアポイントを獲得したいとなったとき、すぐに着手できる点はテレアポならではの魅力です。
またアポイントや契約の成果もその場ですぐにわかるなど、即効性が期待される場面で取り組みやすい手段といえます。
WEB媒体による集客や広告によるアプローチと異なり、直接顧客の反応を見ながら対応できる点もテレアポ営業のメリットといえます。
先方の温度感をさぐりながら応対できるため、技術力のあるアポインターであれば、電話越しであっても高い確立でアポイントの獲得に繋げることが可能です。
確実に成果に繋がるか不確定なアプローチ手段が多い中で、テレアポは数さえ取り組めばアポイントを高い確率で獲得できる営業手法ともいえます(少なくとも多くの企業ではそう思われている)。
テレアポのみで集客をおこなうというよりは、いくつかの手法に取り組む中の1要素として、安定的に成果をあげやすいテレアポを取り入れるという考え方が望ましいでしょう。
続いてテレアポ営業のもつデメリットについて見ていきましょう。仮にいまテレアポ営業が組織の中で常態化しているのであれば、負の側面からも眼をそらさず「テレアポ」の在り方に向き合うことが重要です。
テレアポの大きなデメリットとして、受け取り手に不快な思いをさせるリスクが高いことがあげられます。
一概には言えませんが、テレアポに対しこういった不満を抱く顧客は少なく無いことも事実です。このとき、もしかすれば「将来的に自社で商品の購入にいたっていたかもしれない」優良な潜在顧客層を、1度のテレアポという機会で永久的に失っている可能性が考えられます。
オペレーターのメンタル的な消耗が激しい点もテレアポの特徴です。
基本的には9割以上のユーザーから断られる上、中には不愉快さや怒りをあらわにされるユーザーもいらっしゃるでしょう。そういった顧客の負の感情を受けとりながら架電を続けることに、精神的な負担を抱える営業マンは少なくありません。
システム化されたその他の集客・営業手法に比べ、個人のポテンシャルが成果に直結しやすい点もテレアポの難点です。優秀な人材を確保できればアポイントを獲得できる一方、そうでなければまったく数字があがらない(質の低いアポイントばかり取れる)といったリスクを備えています。
以下は株式会社Scene Liveが、テレアポ社員が所属する企業の経営者・役員310名を対象におこなった調査の結果です。
「自社のテレアポに課題を感じている」と回答した経営者・役員のうち、最多の57.9%が「営業担当者ごとのアポイント獲得数について、バラツキがある」ことに課題感をもっていることがわかりました。
仮にトークスクリプトやマニュアルがあったとしても、最終的には個人のコミュニケーションスキルや努力値に成果が左右される側面が大きいといえます。
テレアポは主に「新規の顧客開拓」に重きを置いた営業手法であり、数を打って契約があがれば良いという、どこか自転車操業的な側面があることは否めません。
しかしすでに顧客が開拓されつくした、かつ競合の乱立する昨今の日本市場では「新規のお客様」だけでなく「一度購入してくれたお客様を、いかにリピーターへ繋げるか」という既存顧客へのアプローチが欠かせない時代となりました。
実際「新規顧客を獲得するには、既存顧客の5倍コストがかかる」と言われており、これをマーケティング用語では「1:5の法則」と呼びます。
もし現在、限られた営業リソースの多くをテレアポ等の新規獲得に割いているのであれば、獲得コストが少なく長期的な利益の見込みがある「既存顧客の維持」にも同様に力を注ぐ必要があるでしょう。
テレアポが現代でもこれだけ主流の営業手法として採用されているのは、以前にくらべ難易度があがっていたとしても、未だに一定数の成果が見込めるためでしょう。
ただし先述したような「テレアポが時代遅れ」と言われるようになった背景、顧客やオペレーターに与えるデメリットを踏まえると、今後もテレアポだけに頼った営業手法を続けることは、企業の在り方としてややリスクが高いかもしれません。
タイミングや商品・サービスとの親和性を踏まえ、テレアポを適宜活用しながらも、昨今の市場やニーズに合わせた新たな営業・集客手法と上手く併用することが望まれます。
このとき「新たな方法を取り入れたいけれど、社内にそのノウハウやリソースが不足している」という経営者の方もいらっしゃるでしょう。
そんなときは「自社で補えないリソースを外注化する」「コンサルティングを依頼する」等、「長期投資」として外部の力に頼ることを検討してみるのもおすすめです。
ここまで「テレアポ」という手法について掘り下げてきましたが、その他にも現代の市場・ニーズに合致した集客方法は存在します。
今後テレアポ営業と併用していきたい、新規顧客の獲得方法についてご紹介します。
コンテンツマーケティングとは、顧客にとって有益なコンテンツを作成することで見込み顧客を育成し、最終的に購買に繋げるというマーケティング手法です。
短期的に成果へ繋げるというよりは、中長期的な視点で自社のファンを育てていくという特徴があります。
コンテンツマーケティングの手法は様々ですが、代表的なものとして
・記事コンテンツ(コンテンツSEO)
・SNS運用
・動画コンテンツ
・オンラインイベント(セミナー)
・メルマガ配信
・プレスリリース
などがあげられます(詳しい内容は後述)。
インターネットの普及により情報過多となった現在では、以前までのように「企業側が一方的に顧客へ伝えたい情報を発信する」スタイルでは、ユーザーの購買行動を促進することは難しくなってしまいました。
コンテンツマーケティングではユーザーが本当に欲している情報を提供することで、長期的なファンの獲得やユーザーに納得感をもって購入・利用に進んでもらうといった効果が期待できます。
コンテンツSEOは、先述したコンテンツマーケティングの手法の1つです。主にコラムや事例といった記事を作成することで検索結果の上位を獲得し、興味関心のあるユーザーを集客します。
コンテンツSEOでは検索エンジンを利用し、オンライン上の幅広いユーザーにアプローチを仕掛けることが可能です。またその他の集客手法に比べ、比較的低予算からスタートしやすい点も魅力です。
成果が出るまでには数ヶ月~1年ほどの時間を要しますが、作成したコンテンツは資産として残るため、継続的に集客効果を発揮してくれる点も大きなメリットです。
WEB上に広告を掲載し、顧客からの能動的なアクションを誘発する集客手法に「インターネット広告」があります。ユーザーのWEB利用率が高まっている現代の在り方からしても、インターネット広告は今の世の中に非常にマッチした集客方法と言えます。
また通常のマス広告に比べ低予算で取り組める他、リスティング広告等の「運用型広告」であれば、自社の希望するターゲットに細かくアプローチを仕掛けられる点も魅力です。
インターネット広告としておすすめしたい、代表的なものとしては
・純広告
・ディスプレイ広告
・リスティング広告
・リマーケティング、リターゲティング広告
・SNS広告
・動画広告
等があげられます。
大きな成果を上げるためにはある程度の専門知識が必要となりますが、広告の種類によってはやり方さえ調べればインハウスでも始められるものもあります。
セミナー開催もユーザーに有益な情報を提供することで、将来的な見込み顧客を醸成する手法です。
「まずはより広い層に向けて実施することで、サービスの認知を高める」、あるいは「自社に興味関心のある層に向けて、よりコアな内容を発信しファン化を促す」等、セミナーではあらゆる顧客フェーズにとって魅力的な内容を提供しわけることが求められます。
オフラインで開催するセミナーに対し、オンライン上でおこなうウェビナーは、場所を選ばず全国のユーザーに呼びかけることが可能です。また配信者もパソコン1台でどこからでも発信できるため、箱の準備や人件費といった手間・経費を軽減できるというメリットがあります。
限られた顧客に熱量をもって関わりたい場合はセミナーを、より広い層へ気軽に参加を促したい場合はウェビナーを選択するといった使い分けも有効です。
メールマーケティングによって顧客と定期的な接触をはかることも、見込み顧客を育成し購買に繋げる上で有効な手法です。顧客にとって価値のある情報を配信することで、非対面での接触ながら顧客のファン化を促すことができます。
例えばコーヒーメーカーの配信する情報であれば「自宅で取り組める本格的なコーヒーを入れる方法」、アパレルショップであれば「バースデー特典」として「顧客の誕生月に服が20%引きで購入できるクーポンの発行」といった内容の発信が考えられるでしょう。
その他にも企業独自の取り組みや社員の声といった「企業の内側」をあえてメルマガに掲載することで、顧客との信頼関係づくりに繋がる場合もあります。
細やかなターゲティングに基づき定期的にコンテンツを発信することで、顧客とのコミュニケーションを図り角度の高い見込み顧客への育成を図ります。
【あわせて読みたい】オンライン時代に顧客を動かす メールマーケティングのコツとは?
「営業活動の大半をテレアポが占めている」という状態は企業の在り方としてリスクが懸念されるものの、その他の手法と組み合わせることで安定的な成果を出せることは間違いありません。
現在集客の割合がテレアポに偏っているのであれば、他の方法と併用しながら、フローの一部としてテレアポをうまく活用することが望ましいでしょう。
ぜひ今回ご紹介したその他の新規開拓方法も検討しながら、企業が長期的に成長できる仕組みづくりに取り組んでいただきたいと思います。
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