2022.06.21
CRMとは「顧客関係管理」を意味するマーケティング用語です。顧客それぞれの基礎情報や購買データなどを管理し活用することで、顧客それぞれとの良好な関係を築きます。
この記事では昨今の企業戦略に欠かせない、CRMの概要や機能についてわかりやすく解説させていただきます。
目次
CRM(Customer Relationship Management)とは「顧客関係管理」といわれるマーケティング用語であり、顧客と良好な関係を構築することで、売上や利益向上をはかる “仕組み” のことを指します。
また企業がCRMに取り組む際に使用する「顧客管理システム」は「CRMツール」「CRMシステム」などと呼ばれます。
CRMでは既存顧客・見込み顧客それぞれのデータを常時把握することで、顧客との良好な関係を構築し、LTV(生涯顧客価値)の向上を図ります。またCRMシステムを活用することで、顧客の「性別や年齢・連絡先・いつ何の商品を購入したか」といったデータを一元管理し、ユーザーそれぞれに最適な提案やアナウンスをすることができます。
例えば、あなたの運営するアパレルのECショップで、定期的に服を購入してくれる30代女性のAさんがいるとしましょう。
CRMシステムを活用することで
・Aさんが服を購入した直後に、その服に似合う関連アイテムの情報をメールで提案する。
・頻繁に購入しているブランドの、新作商品やSALEの情報を定期的に配信する。
・Aさんの誕生月に、誕生日のお得なクーポンをプレゼントする。
・リアル店舗への来店時、Aさんの好みに合いそうなアイテムを厳選して提案する。
など「Aさんの購入履歴や基礎データに基づいた、精度の高いアプローチ」を仕掛けられるようになります。
CRMでは、このように1人1人のデータにあった関係構築をはかることで、顧客との心理的な距離感を縮めることが可能です。
CRMの考えが重視されている背景として、以前までの売り切り方の販売戦略では、商品・サービスの売上を伸ばし、企業として成長していくことが難しくなったからという理由があげられます。
世の中に物・サービスが溢れ、情報が氾濫し、競合他社が乱立する現代の日本では、新規顧客の開拓・販売だけで、企業が成長を続けていくのは厳しい時代となりました。
そこで重視されるようになったのが「顧客それぞれの人生に寄り添い、長期的な視点で関係を築いていく」というLTVに考えにのっとった販売戦略です。
CRMの活用により顧客それぞれの特性に合わせた対応・接客をおこなうことで、企業は既存顧客との信頼関係を築き、より効率よく安定的に売上を伸ばすことが可能となります。
サービスを展開する企業によってもちろん違いはありますが、CRMシステムの備える機能の例として、以下のようなものが挙げられます。
1.顧客データの管理機能
2.メール配信機能
3.フォーム作成機能
4.問い合わせ管理機能
5.分析・レポート機能
CRMが具体的にどういった機能を備えているのか、改めてその内容について確認していきましょう。
1つ目にあげられるのが、CRMの最も代表的な装備である「顧客データ」の管理機能です。指名や年齢・性別や地域といった「基本情報」や、商品の購入日・購買金額といった「購買履歴の情報」「メルマガのクリック率」など、顧客像を明らかにする上で必要な情報をシステムに集約します。
蓄積したデータはシステムを通じていつでも閲覧できるため、会社の各部署で最適な打ち手を検討したり、部署間で連携を図りながらアプローチを仕掛けることも可能です。
2つ目は「メール配信機能」です。CRMでは顧客の「メール開封率」や「配信からどのくらいの期間で開封したか」といった数値を可視化できるため、顧客それぞれの熱量や傾向にあわせて、セグメント機能で適切にメールを送り分けることが可能です。
また配信したデータの蓄積・比較検証をすることで、タイトルや文字数・配信時間の微調整を繰り返しながら、より精度の高いメール配信へとブラッシュアップすることもできます。
3つ目は「フォーム作成機能」です。資料請求やセミナー申し込み・顧客の声を集めるアンケートなど、目的に応じて様々なフォームを作成することができます。
各フォームから送られた顧客情報はCRMへ自動で反映・一元管理されるため、そのデータを基に分析をしたり新たなアプローチを仕掛けたりすることができます。また顧客からのフォーム送信にあわせて、登録のお礼メールや本登録の案内メール等を配信することも可能です。
4つ目は、各個人に関するこれまでの問い合わせ内容や、やり取りの履歴を組織内で共有できる「問い合わせの管理機能」です。過去の対応履歴を可視化することで、二重対応や案内漏れを防ぎ、最適なタイミングや内容で接触を図ります。
またこれまでの問い合わせ内容を蓄積することは「よくある質問と回答」を作成し、対応工数の削減を図る上でも大いに役立ちます。
5つ目は、素早く登録された顧客データから必要な情報を集計し、図やグラフなどにレポーティングする「分析・レポート機能」です。
要件に該当するデータのみを一覧で表示したり、集計・グラフ化して閲覧することが可能です。 分析・レポート機能を活用することで、例えば「顧客のペルソナ別に見られる購買傾向」や「獲得時期や経路別の売上高」などを、システム上で簡単に可視化することができます。
この他にも、外部ツールやSNSとの連携機能や、セミナー・イベント開催のサポート機能、WEBサイトのカスタマイズと連携できるものなど、CRMは顧客との関係構築に役立つ様々な機能を備えています。
またシステムの内容や機能の数・難易度はメーカーによって様々なので、CRMの導入時は自社課題や重要視したい機能・社内のリテラシーレベル等に応じて、適切な商品を選択しましょう。
CRMを活用し実際の営業活動やマーケティング戦略へ反映させるために、最も大切なのは「企業側の偏った視点ではなく、常に顧客の視点にたったアプローチや戦略を仕掛ける」ことです。
例えばメール配信1つにしても、いつも高頻度で開封してくれるお客さんと、まったく開封しないお客さんでは、送る内容や頻度も変えるべきでしょう。後者の顧客に高頻度でメールを配信し続けても、成果が上がらないのはもちろん、下手をすれば失客に繋がってしまうリスクさえ考えられます。
その他にも
・商品を購入した顧客に、まだ商品が届いていないタイミングで「次回購入の案内」を送ってしまう
・定期購入を辞めたばかりの顧客に、熱心な営業をかけてしまう
・人生のフェーズが変わった(例えば結婚し子どもが生まれた)顧客に、以前までと同内容のDMを送り続ける
といった良くないアプローチも、顧客視点に立つことで回避することができるでしょう。
「人生におけるパートナー」として顧客に信頼されるためには、それぞれが欲している情報・コミュニケーションを、個々にとって適切なタイミングで提供することが何より重要です。
今回は現代の消費市場で欠かすことのできない「CRM」の概念について確認しました。
製品やサービスそのものの品質では差別化が図りづらい現代だからこそ、顧客に選ばれつづける企業であるために、ユーザー1人1人に向き合う「CRM」の導入は企業にとって必須の課題といえます。
「CRMシステムの導入」と聞くと大掛かりな印象を受けますが、まずは簡単な顧客リストを作成するところから始めてみてはいかがでしょうか。
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