2022.07.25
顧客と日常的にコミュニケーションを取ることは、ユーザーの購買意欲やロイヤリティを高め、最終的に顧客との信頼関係を構築する上で欠かせない取り組みです。
良質なコミュニケーションを図るためには
・「あなただけ」という特別感を伝え続ける
・欲しいタイミングで必要な情報提供やコミュニケーションを取る
・最適な頻度でコミュニケーションを図る
といった3つの観点がとても大切です。
この記事では、冒頭で「顧客とコミュニケーションを図る重要性」についてお話しした後「良質な関係構築のポイント」「具体的な7つのコミュニケーション方法」について解説させていただきます。
・顧客とコミュニケーションを取る方法が知りたい
・コミュニケーションの精度を高めるため、ヒントが欲しい
そんな方はぜひ目を通していただければ幸いです。
顧客が自社の商品やサービスを認知したタイミングから、購買し次回リピーターになるまで、一連のフェーズで適切に「顧客とコミュニケーションをはかる」ことは非常に重要です。
というのも、顧客と日頃から密なコミュニケーションを図ることにより
・対面だけでは難しい信頼関係の構築がはかれる
・顧客の細やかなニーズに、必要なタイミングで応えられる
・ふとしたとき思い出してもらえる、人生のパートナー的存在になれる
といったメリットが得られるためです。
以前の消費モデルでは、企業が一方的に宣伝広告をうち、プロダクトを販売し、関心を持った消費者がサイトや店舗へ足を運ぶという「一方通行」のコミュニケーションが当たり前の時代でした。
しかし消費者が情報取得を能動的におこなうようになり、購買までの意思決定のプロセスも複雑化している現代では、そうした「一方通行」なやり方で顧客のニーズに応え続けることが難しくなりました。
仮に自社の商品を「いいな」と感じた顧客がいたとしても、認知から購入までの間に企業側から接点を持たなければ、類似の商品や競合他社へと関心が移ってしまう……そんなことが現代では日常茶飯事です。
そこで企業は「自社商品・サービスにまったく興味関心のない」フェーズから「商品やサービスを利用したい・買いたい」と思える段階まで、顧客への小まめなアプローチやフォローをおこない、購買意欲や企業への信頼を築く働きかけが必要となりました。
一方的に全ての顧客に対して同様のメッセージを送るのではなく、ユーザーの属性に応じて必要な情報を厳選し提供する「顧客それぞれに合わせた、双方向のコミュニケーション」を意識することで、顧客との心の距離を縮めることが可能です。
また顧客と定期的に接触ポイントをつくることは、元々興味がなかった物事や人物に対して複数回接触を繰り返すことにより興味を持つようになる、という「単純接触効果」の観点からも有効な手段といえます。
さらに購買や利用に至ったあと「購入後にお困りではありませんか」といったサポートの提供や「以前、購入された商品Aと相性抜群のアイテムを紹介します」といった次回購入の案内なども、顧客をリピーターへと育成するためのアフターフォローとして重要です。
こういった理由から、顧客それぞれの属性や熱量に応じて適宜必要なアプローチをおこない、企業が顧客と長期にわたり信頼関係を築くことが昨今の企業には求められています。
顧客とのコミュニケーションが重要であることは先述の通りですが、ただ一方的に情報を押し付ける、あるいは顧客の気持ちを度外視したメッセージを送り続けることは逆効果です。
顧客との関係構築で意識したい、3つのコツについてお話しします。
顧客へのコミュニケーションで意識したい1つ目のポイントは、「その他大勢」ではなく「あなただけに向けたメッセージ」であると伝えることです。
顧客のペルソナ・購買フェーズ・過去の購買行動に最適なメッセージを作成することで、「私だけのために、ひと手間かけてメッセージを作成してくれた」という特別感をユーザーに感じてもらうことが可能だからです。
例えば「美容院から新規顧客へのDM」一つ取っても、送る相手を意識するだけで、以下のような内容の違いが生まれてきます。
【通常のDM】
〇月〇日より▲▲駅近くにオープンした、大人女性のための美容室です。新作のトリートメントも扱っており、いまなら初来店の方全員半額で利用していただけます。 ぜひご来店ください。 |
【1人の顧客を意識したDM】
サロンから徒歩10分圏内にお住まいのあなたへ。〇月〇日にオープンした「大人女性向け」の美容室です。 あなたに当サロンの魅力を知っていただきたく、特別なご案内をお送りさせていただきました。お客様には大人女性の髪質改善に最適な、新作トリートメントを通常の半額のお値段でご利用いただけます。ぜひこのハガキを持って、ご来店ください。 |
2つ目のポイントは、顧客の購買フェーズに応じて「その時に欲しい情報・コミュニケーション」を意識することです。
例えば同じ「マンションの購入を検討している」顧客であっても、将来的な購入を考えている層なのか、数ヶ月以内の購入を考えている層かでは、仕掛けるアプローチや提供すべき情報も大きく異なります。
前者であれば顧客が興味関心をもちそうな「おすすめのマンションの情報(写真や機能性・価格帯)」といったライトな情報を提供するべきですし、後者であれば実際に展示会やショールームへ足を運んでもらい見積を取る、といった具体的な行動を呼びかけるのが適切かもしれません。
またECサイトや通販なども同様で、仮に商品を購入して間もないユーザーに「次回購入の案内」を送ってしまうと「さっき買ったばかりなのに」「結局、物を売ることしか頭にないんだな」と、不快な思いを抱かせてしまうかもしれません。
このようにユーザーの各フェーズにおける心理状態を適切に判断して、企業側はメッセージの内容を適宜変更する必要があります。
3つ目のポイントは、顧客の興味関心度合いにあわせて適切な頻度でコミュニケーションをおこなうことです。
あまりに頻度が高いメッセージは顧客に「しつこい」「量が多すぎる」といった不快感を与えるリスクがありますし、逆にメッセージの間隔が空きすぎれば、より細やかに接触をはかる別企業に顧客を奪われてしまう可能性があります。
コミュニケーションの最適な頻度を割り出すためには、MAツールやCRMツールなどを用いて、メールの開封率が高い配信頻度や日時・購買行動との相関性といった過去データを分析するのがおすすめです。
・サイト訪問から1時間以内にメッセージを送った見込み顧客は、メールの開封率が高い
・商品を注文してから3日以内に『同じブランドの新作情報』を送ると、メールからのサイト訪問率が多くなる
といった具合です。
自然に顧客との心の距離を近づけるためにも、ユーザーが不快にならない最適な頻度でコミュニケーションを図ることを意識しましょう。
顧客と適切な方法で定期的な接触を図ることにより、心理的な距離を近づけ、最終的に購入や申し込みといった行動へ繋げることが可能です。
ここでは見込み顧客との関係構築をはかる上で有効な、どんな企業でも取り組みやすい7つアイデアについて紹介します。
コミュニケーションツールとしてまずおすすめしたいのが、メール機能を用いて定期的にメッセージを発信する「メールマガジン」です。
クーポンやセールイベントといった顧客にお得な情報の配信から、商品・サービスに関する細やかな説明・顧客の利用メリットなど、ユーザーにとって思わず読みたくなる価値ある情報を定期的に届けることで、顧客の購買心理や信頼度を育みます。
また各企業のユーザーに対する想いや日々の取り組みなど、より顧客が親しみを感じられるコンテンツを敢えて作成することも、顧客との信頼関係を築く上で有効な手段です。
メルマガはMAツールなどのシステムと連携することで、顧客のペルソナ(性別・地域・年齢・年収など)や細かな情報別に、配信内容を変えることが可能です。
例えば「過去1年以内に服を購入してくれた、30~50代の女性」に配信先を絞り「大人女性向けの新商品の紹介(直近1年以内に購入履歴がある方限定で10%オフ)」といった内容のメールを配信することができます。
2つ目に紹介するのは「ステップメール」を配信することで、より適切に顧客の購買意欲を高めていく方法です。
「ステップメール」とは一定のスケジュールに沿って、あらかじめ設定した内容を段階的に配信するメール手法のこと。商品の購入や無料サンプルの申し込み・会員登録といった顧客のアクションを起点に、読者との関係強化が見込める内容を、最適な順序・タイミングで配信します。
【ステップメールの例】
1回目:サプリメントの無料サンプルを申し込み後にお礼のメールを配信
2回目:商品の発送情報を配信(本日、商品を発送しました)
3回目:「商品が無事届いたか?」の到着確認を配信
4回目:サプリメントを効果的に摂取するための、お役立ち情報を配信
5回目:サプリメント愛用者の実体験を紹介
6回目:【期間限定】サプリメントの割引情報を記載した、販促メールを配信 …等
ステップメールでは見込み顧客の心理や購買行動を逆算し、適切な間隔で必要な情報を届けることが重要です。
メールマガジンよりさらに精度の高いコミュニケーションが図れる一方、細やかなセグメントやストーリー設定が必要な分、それなりの労力やスキルが求められるといった懸念があります。
3つ目の有効なコミュニケーション方法として、InstagramやTwitter・YouTubeやTikTokなどのSNSツールの活用があげられます。
とくに10代~20代の若年層では日常的にSNSを利用することが当然であり、最近では「気になる商品やサービス情報・飲食店の検索」や「飲食店・美容室の店舗予約」などを、すべてSNSで完結させる若者が増えています。
SNSの活用法としておすすめなのが、ユーザー参加型のコミュニケーションツールとして利用するというものです。
例えば”写真映え”するおしゃれな個室を売りにするホテルが、SNSを活用して顧客とのコミュニケーションを図りたいとすれば、以下のような方法が考えられるでしょう。
【ホテルのSNS活用事例】
・ホテルの写真や情報をTwitterで呟いたユーザーに対し、投稿を引用リツイートして、コメント付きで紹介する。
・「#〇〇ホテル」で投稿したユーザーに、ウェルカムドリンクを1杯無料で提供する。
・季節のイベント(クリスマスやバレンタイン等)やユーザー別のペルソナにあわせて、興味のありそうなホテルのイベントや周辺の観光情報などを発信する。
・Instagramのリール機能やYouTube・TikTokなど動画ツールを活用して、写真だけでは魅力の伝わりづらい、ホテル内や個室のルームツアーを発信する。
一方的に自己満足な情報や写真を載せるのではなく、顧客視点の投稿・双方向のコミュニケーションを意識することがSNSの活用では重要です。
4つ目におすすめするのが、LINE公式アカウントを活用したコミュニケーション方法です。
LINE公式アカウントとは、企業や店舗が運営することに特化したLINEサービスのこと。無料でも顧客へのメッセージ配信(1か月に1,000通まで)やクーポン・ショップカードの発行などが可能です。
通常のLINE同様、個別でメッセージのやり取りも可能なため、ユーザーの疑問やお悩みに適宜回答したり、来店予約の日程調整をおこなったりと、密なコミュニケーションをはかりたい場合にも適しています。
また「絞り込み配信」や「ステップ配信」といった機能を活用することで、先述したメルマガやステップメールのように、顧客属性にもとづき配信内容を送り分けることもできます。
・「絞り込み配信」…性別や年齢・都道府県など、ユーザーの属性を選択し配信先を絞り込むことができる。
・「ステップ配信」…事前に用意したメッセージを、追加からの日数やユーザー属性に応じて、段階的に送り分けることができる。
若者のメール離れが加速している昨今、BtoCのビジネスであれば、メールマーケティングの代用としてLINEを活用するのはいかがでしょうか。
顧客とコミュニケーションを図る5つ目の方法として、コンテンツメディアを運用することがあげられます。
・商品・サービスに関するお役立ち情報をコラムにまとめる
・実際にサービスを利用した人の事例を配信する
・採用活動の一環として、現場で活躍する社員のインタビュー記事や対談記事をあげる
このように、企業や商品に興味のあるユーザーにとって有益な情報を文章で発信することにより、顧客の知識ニーズに応えたり、商品への関心をさらに高めたりといった効果を期待できます。
またSEO対策と組み合わせることで顧客の自然流入を促すこともできるため「企業や商品に関して、まったく知見のない潜在顧客層」へ認知をおこなうことも可能です。
顧客とコミュニケーションを図る方法6つ目は、顧客ニーズに合致したセミナーやイベント・展示会などを開催することです。
ユーザーと直接対話したり、実際に商品やサービスに触れてもらったりできる点で、リアルなセミナーやイベントは高い効果を期待しやすいといった特徴があります。
一方、オンラインを通じておこなうウェビナーやバーチャルイベントであれば、場所を問わず全国のユーザーへ参加を促せるため、より広い顧客層と柔軟にコミュニケーションを図ることが可能です。
またセミナーやイベントを開催する際は、参加後のユーザーに対するフォローが非常に重要です。
・参加後、顧客に来店や無料相談をうながすための導線をあらかじめ作っておく。
・セミナーやイベントで発生した疑問を解消できるよう、質疑応答の時間や事後アンケートの機会を設ける。
・セミナーやイベント参加者の顧客リストを作成し、熱感やペルソナに応じて必要なアプローチ(営業・メルマガ・DMなど)を仕掛ける
など、あらかじめ顧客へのアプローチ方法までを設定しておきましょう。
顧客とのコミュニケーションツール7つ目は、郵送のDM(ダイレクトメッセージ)です。
ダイレクトメッセージとは、印刷物や電子メールを通じて企業から個人宛に送られるメッセージのことを指します。また最近ではTwitterやInstagramといった、SNSのメッセージ機能の総称としても使用されています。
チラシやメッセージカード等、ダイレクトメッセージの大きな魅力は、親しみのある”紙”という媒体で企業から顧客へ1対1の関係で伝えたいメッセージを届けられる点です。顧客がリアルに手に取って確認できるため、上手く活用できれば、その他のツールより大きなインパクトを顧客に与えられる可能性があります。
・顧客が「封を開けたい・内容を読みたい」と思える、引きのあるデザインにする。
・「あなたにだけ」という特別感を演出する。
・顧客が積極的に利用したくなるような、特典やサービスを伝える
上記のような項目に気を配って、効果の高いDM運用を行っていただければと思います。
今回は「顧客とコミュニケーションを図る」をテーマに
・積極的に顧客とコミュニケーションを取ることの重要性
・コミュニケーション構築で意識したいポイント
・具体的なコミュニケーションを図る方法
についてお話ししました。気になる情報はございましたか。
顧客と意識的に良質な接点をもつことは、最終的に顧客から選ばれる企業であるために、そして長きにわたって利用してもらう上で重要な要素です。まずは現在の購買フローを見直し、顧客との接触ポイントを書き出してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
CX Value Labでは、日常的に顧客とコミュニケーションをはかることにより、営業活動だけに頼らないシステム構築をサポートしております。
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