2022.09.12
顧客の行動や属性に応じて最適なマーケティング活動をおこなうためには、準備段階として精度の高い「顧客セグメンテーション」をおこなうことが重要です。
この記事では、現代の企業戦略に欠かせない「顧客セグメンテーション」の概要について、その「4種類の分類軸」や「有効性の確認方法(4R)」とともにご紹介します。
「顧客セグメンテーション」とは、自社の保有する顧客情報を共通する特性ごとに分類する作業のことです。
地域や年齢といった特定の属性によってグループ化することを「セグメント」と言い、 複数のセグメントに分けることを「セグメンテーション」と呼びます。
顧客セグメンテーションによりユーザーを共通の特性やニーズ別に分類することで、大衆向けのアプローチではなく、より個々に影響力の高い効果的なマーケティング施策を仕掛けることが可能です。
例えば、メールマガジンを配信する場合も、全ての顧客へ同一の内容を送るのではなく「購入履歴の有無」「男女」「住んでいる地域」「年齢」などの情報に応じて内容を分けることで、より読者の興味関心にあった情報を届けやすくなります。
また、リスティング広告のようなインターネット広告を打つ際も「25~34歳の男性のみに表示」「東京都在住の女性のみに表示」など、細やかな顧客セグメンテーションをおこなうことで、広告のクリック率やCV数(問い合わせや購入の数)を上げることが可能です。
このように現代市場において、様々なマーケティング施策や営業活動を展開する事前準備として「顧客セグメンテーション」は欠かせない活動と言えるでしょう。
「顧客セグメンテーション」への取り組みが重視されるようになった背景として
などの理由が挙げられます。
大量生産・大量消費の時代では「お茶の間に広くテレビCMを打つ」「新聞に広告を掲載する」といった、いわゆる大衆向けの「マス・マーケティング」が主な施策でした。
しかし、テレビや新聞などマスメディアの減退と同時に「消費者の価値観の多様化」したことで、より顧客の趣向や特性に応じてアプローチを細分化する必要が出てきました。
例えば「10代~20代の女性向け」化粧品のプロモーションであれば、性別や年齢を絞って配信すべきですし、発信媒体も「Instagram広告」や「TikTok広告」といったSNS媒体を選ぶべきかもしれません。
このように顧客の性質や行動に応じてグループ化し最適な施策を打つことで、より満足度の高い顧客体験(CX)を提供することは、競争の激しい業界で他社との差別化を図るために欠かせない要素となりました。
顧客のニーズや情報の獲得媒体が多様化する現代において、より費用対効果のよい販促活動を実現するためには、顧客セグメンテーションに基づいたマーケティング活動が必要不可欠と言えるのです。
顧客セグメンテーションには様々な方法がありますが、代表的なものとして4種類の「セグメンテーション変数」が挙げられます。
セグメンテーション変数 | 概要 |
1.地理的変数 | 国、都市、市区町村、人口密度、人口規模など |
2.人口動態変数 | 年齢、性別・世帯年収、職業、家族構成、学歴など |
3.心理的変数 | アウトドアか、社交的か、ブランド志向か、几帳面かなど |
4.行動変数 | 顧客の購入頻度、購入単価・商品を使うシーンなど |
それぞれの詳細について、簡単に説明します。
1つ目は「地理的変数(ジオグラフィック)」で分類する方法です。
顧客が所属する国や地域・市町村区など、顧客(BtoBであれば企業)が所在するエリアや地理的情報に基づいてセグメントをおこないます。
あるいは人口規模(100万人以上、5,000人未満など)や人口密度(都市部、地方など)・駅の有無などによって分類するのも「地理的変数」に基づいたセグメンテーションです。
地域性や気候などによって売れ行きが異なる場合、効果的な分類方法となります。
2つ目は「人口動態変数(デモグラフィック)」に基づいて分類する方法です。
年齢や性別・世帯年収や職業など、顧客をパーソナルな属性別にグループ化します。その他、家族構成や世帯規模・学歴・ライフステージなども該当します。
例えば、同じ男性でも「39歳未満、未婚男性、単身世帯」と「40歳以上、既婚者男性、子ども有」とでグループ化することは、人口動態変数に基づいた分類方法です。
顧客セグメンテーションの中でも頻繁に利用されており、最も取り入れやすい変数と言えます。
3つ目は「心理的変数(サイコグラフィック変数)」で分類する方法です。
顧客の性格やライフスタイルに基づいた変数であり、上記の2つと比べて「定性的な分類方法」であることが特徴です。
などが「心理的変数の例」として挙げられます。
例えば、同じ「英会話スクール」の広告を打ち出すとしても
で、それぞれ広告を配信し分けるといった具合です。
4つ目は「行動変数(ビヘイビアル変数)」に基づいて分類する方法です。
行動変数とは、顧客のこれまでの購入頻度や金額・商品を使う場面など、行動履歴に基づいてセグメントする際の変数を指します。
行動変数を利用することにより
といった風に、最適なアプローチをし分けることが可能となります。
以上、4つの分類軸についてお話ししました。
比較的調査しやすい「地理的変数」や「人口動態変数」に加え、顧客データに基づく行動履歴やアンケート調査によって明らかになる「心理的変数」「行動変数」なども、適切に用いていくことでより精度の高い分類が可能となるでしょう。
分類軸に基づいて顧客情報のセグメントを実施し、いよいよ「この層にアプローチを仕掛けていこう」とターゲットが定まったら、その有効性の確認手段として「4R」を利用します。
「4R」とは「R」から始まる単語4つの頭文字をとった単語であり
の4つが該当します。
名称 | 概要 |
Rank(優先順位) | 市場に優劣(ランキング)をつけられるか。 |
Realistic(有効規模) | 市場規模が十分にあり、売上や成果を上げられるか。 |
Reach(到達可能性) | ターゲット層に、商品やサービス・広告などを届けられるか、実現可能性は高いか。 |
Response(測定可能性) | アプローチ後、顧客の反応が効果測定できるか。 |
これら4つの項目が満たしていれば、その顧客セグメンテーションは効果的であると判断できるでしょう。
現代のマーケティング活動・販促活動に欠かせない「顧客セグメンテーション」について、概要や必要な見解をご紹介しました。
顧客情報をセグメントし個々のグループに最適なアプローチを仕掛けることは、成約率や顧客ロイヤリティを向上する上で重要な要素です。
「顧客のセグメンテーション」に課題を感じている・興味関心をお持ちの方は
1.地理的変数
2.人口動態変数
3.心理的変数
4.行動変数
という、今回お話しした4つの分類に基づいて「顧客情報の細分化」に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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