2022.10.05
「WEBマーケティングに興味はあるものの、何から着手すればいいかわからない」
「始めなきゃという危機感はあるが、何となく抵抗があり後回しにしている」
そんな「WEBマーケティングの存在」は認知している一方、実際の活動には至っていないという中小企業さんも少なくないのではないでしょうか。
何となく敬遠されがちな「WEBマーケティング」ですが、実は中小企業こそ熱心に取り組むべき、低予算で成果の出しやすいマーケティング戦略と言えます。
この記事では、そんな「中小企業のWEBマーケティング活動」をテーマに
といった内容について解説します。
今回テーマとして取り上げる「Webマーケティング」ですが、その名の通りWeb上を通じて行われるマーケティング施策全般のことを指します。
実店舗での営業・販促活動やチラシ、雑誌や新聞への広告掲載が「オフラインでのマーケティング活動」であるとするなら、WebマーケティングはPCやスマートフォンを通じてユーザーにアプローチを仕掛ける「オンライン上のマーケティング活動」です。
Webマーケティングの代表的な施策としては、以下のようなものが挙げられます。
仮上記の施策を「顧客の購買フェーズ」ごとにうまく導入することで
といった成果に繋げることが可能です。
実際、中小企業がWebマーケティング施策を導入するイメージについて、とある「住宅販売を仲介する不動産会社」を例にご説明します。
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一般のお客さん向けに、戸建てやマンション販売の仲介を行っている「P不動産会社」。以前までは「テレアポ」「近所へのポスティング」「飛び込み営業」の3つの方法が、集客活動の主軸でした。
しかし市場ニーズの変化や、ユーザーの情報リテラシーの向上により
といった課題に直面。
「現代の顧客ニーズに合致した、再現性のある集客・販売の仕組みを整えたい」との思いから、Webマーケティングを導入することになりました。
まず行ったこととしては「Webで集客する仕組み」を作ることです。
ホームページ経由でお客さんの問い合わせが獲得できるよう、長年放置していた自社サイトのリニューアルを行い、サイト内の導線改善やSEO対策などを実施。
また少額から始められる「リスティング広告」で、お客さんに繋がりそうな20代後半~40代前半の男女を対象に、物件に関する広告配信を行いました。
「サイト改善」「SEO対策」「リスティング広告」といったWebマーケティング活動を導入したことで、それまで0だったホームページからの問い合わせや相談が、毎月コンスタントに入るようになったのです。
さらに集客した見込み顧客を物件購入に促すため、「お得な物件情報」や「物件購入のお役立ち情報(失敗しない物件の選び方など)」を、定期的にメルマガやLINEとして発信。
営業担当が顧客フォローをする手間を削減し、購入意欲の高いお客さんを育てる仕組みづくりを行いました。
このように、今まで営業マンが対面で行っていた施策の多くを、Webマーケティングで代用することにより
などの成果を上げることに成功しました。
今後は「おすすめ物件の写真」などを交えて、TwitterやInstagramといったSNSの発信にも力を入れていく予定です。
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上記はあくまで1つの例ですが、実際にWEBマーケティングを購買行動のプロセスにうまく取り入れることで、効率よく集客活動や顧客育成・販売といった成果を上げることができます。
「既存の営業活動や販促の仕組みを改善し、企業の成長や売り上げアップを目指したい」
そう思いつつも、既存フローのどの部分を改善し、どういった施策から着手すべきかがわからないという、中小企業の経営者様やWEB担当者の方も多いのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、大きなリソースを必要とする他のマーケティング活動と比べ、Webマーケティングは中小企業にとって着手しやすい(施策が多い)という側面があります。
中小企業にWebマーケティングの導入をおすすめする理由として、以下のようなものが挙げられます。
中小企業にWebマーケティングがおすすめな理由、1つ目は「少ない予算から気軽に導入することが可能だから」です。
マス広告やプロモーション活動のような何百万、何千万単位の費用を要する施策と違い、Webマーケティングには、人件費を除き「無料」もしくは「数千円単位」から導入できるものが少なくありません。
また費用が少額なため「まずは小規模に取り組んでみる」「数か月やってみて、費用対効果が良ければ導入する」といった、テスト運用を気軽に試せる点も大きな魅力です。
2つ目の理由は「インハウスでも取り組みやすい施策が多いため」です。
もちろんマーケティングに知見の深い専門業者に外注できれば、より早く確実に成果をあげることができるでしょう。しかし現実的には予算の問題などで、マーケティング活動やプロモーションに多額な予算を割けないという中小企業も少なくないはずです。
その点、Webマーケティング施策は導入時の設計や戦略立案時は手がかかる一方、運用の仕組みさえ整えてしまえば、比較的知見の薄い方でも取り組みやすいものが多く存在します。
実際、「導入時の仕組みづくりのみプロに依頼し、その後は基本的にインハウスで運用する」といった企業も少なくありません。
また、社内でマーケティング活動に取り組むことは外注費を抑えるだけでなく「社内にWebマーケティングのノウハウが蓄積できる」といったメリットもあります。
3つ目の理由は、通常の営業・販促活動と異なり「場所を問わず、国内・海外すべての顧客にアプローチを仕掛けられるから」です。
Webマーケティングの最大の特徴は、すべての施策をオンライン上で行うこと。つまりパソコンやスマートフォンさえ使っていれば、世界中のどこにいても「顧客」として情報を届けられるといった魅力があります。
例えば、同様の情報を発信する場合も「ポスティングを行う」のと「Twitterやブログを投稿する」のであれば、後者の方がより多くのユーザーに効率よく閲覧してもらうことができるでしょう。
あるいは、通常のセミナーであれば参加するために時間や場所の制約がかかりますが、オンラインでZoom等を用いてセミナー(ウェビナー)を行えば、仮に地球の裏側にいるユーザーでも気軽に参加することが可能です。
このように全世界のユーザーを顧客として扱える点も、WEBマーケティングならではのメリットです。
4つ目の理由は、施策の種類によっては「スタートしてすぐに成果があがるもの」も存在するからです。
「まだ成果の出ていない施策に、多くの時間やお金を使い続けるのは難しい」という中小企業にとって、取り組んですぐに結果がでる施策か否かは重要な要素です。
コンテンツSEOやSNSによる広報活動など、すぐには成果につながらない施策もある一方で「リスティング広告」「リマーケティング広告」といったWeb広告や「LPの制作」であれば、比較的早期に数字を出すことができます。
上記の施策であれば、早ければ開始した当日や翌日に、お客様からの問い合わせや商品の購入といった成果をあげられることも少なくありません。
5つ目の理由は「現代人の多様化したニーズや購買行動の変化に、アプローチしやすいマーケティング活動だから」です。
消費者の好みも利用するチャネルも、以前の市場とは比べ物にならないほど多様化した昨今。その中で企業が顧客の目に留まるためには、よりパーソナライズ化した緻密なアプローチを個別に仕掛けることが必要となりました。
そしてWebマーケティングは、このような「顧客それぞれに最適化したアプローチ」を行うことに、非常に適した手段と言えます。
例えば、メルマガ配信では年齢や性別・エリアといった顧客情報別にメール内容を配信し分けることができますし、リスティング広告でも特定の住所や年齢のユーザーを指定して、広告を提示することができます。
こういった現代ニーズに合致した「小回りの利くマーケティング活動」が行いやすい点も、中小企業にWebマーケティングをおすすめしたい理由の1つです。
「これから本格的にWebマーケティングへ注力していきたい」というフェーズであれば、まずは主な施策の種類と、それぞれの特徴・予算感を掴んでおくことが重要です。
Webマーケティングでは闇雲に施策へ取り組むのではなく「具体的なゴール・目的」から逆算し、最もゴール達成に適した施策を選択する必要があります。
Webマーケティングにて知っておきたい6つの施策について、それぞれの概要を説明します。
優先的に取り組みたいWebマーケティング施策の1つが、ホームページの制作と改善です。
「自社のホームページ」は全てのWeb施策を行う基盤であり、インターネット上において「企業の顔」となる存在でもあります。
実際、WEBマーケティングを行っていくとなった場合も
といった具合に、良質な自社ホームページがあるからこそ成立するケースが少なくありません。
またBtoBのビジネスであれば、取引先のホームページは「この企業に依頼するか否か」を決める上で重要な判断材料となります。安心して問い合わせしてもらうためには、会社の概要や強み・サービス内容がわかりやすくまとめられた、信頼性のあるホームページを制作することが大切です。
ホームページを制作する際は「見栄えの良さ」にこだわるだけでなく、マーケティングの観点から集客に強いサイト作りを意識するようにしましょう。
中小企業におすすめのWebマーケティング施策、2つ目はインターネット上でユーザーに広告を表示する「Web広告」です。
Web広告の代表的な種類としては、以下のようなものがあります。
種類 | 特徴 |
---|---|
リスティング広告 | 「検索連動型」とも呼ばれており、ユーザーがGoogleやYahoo!で検索したキーワードによって、広告を表示する。 |
リターゲティング広告 (リマーケティング広告) | 自社サイトへ訪れたユーザーを追跡し、別サイトの閲覧中に自社の広告を表示する。リピート購入や買い忘れに効果がある。 |
ディスプレイ広告 | ウェブサイト上の広告枠に一定の期間掲載できる広告。PRの側面が強く、購買より認知拡大に効果的。費用が高額なケースが多い。 |
SNS広告 | FacebookやInstagram・TwitterといったSNSにて、タイムラインやストーリー上に広告を掲載。細かくターゲティングして広告配信できるという強みがある。 |
動画広告 | YouTube広告のような、動画を用いた広告発信のこと。映像と音声を使うことで、よりユーザーの印象に残りやすくなるといったメリットがある。 |
各広告によって特徴・予算感は様々ですが、中小企業にまず率先して取り組んでいただきたいのが「リスティング広告」「リターゲティング(リマーケティング)広告」そして「SNS広告」の3種類です。
リスティング広告は、すべてのWeb施策の中でも「短期間で効果が出せる」ことに定評のある手法の1つです。ネット上で「特定のキーワードで検索」を行ったユーザーに対し、検索結果にて広告を提示させることができます。
仮に「福岡県のハウスクリーニング業者」がリスティング広告を行うとすれば
といったキーワードで検索を行ったユーザーに対し、検索画面に広告を表示するよう設定することができます。
リターゲティング広告とは、過去に自社のWEBサイトやサービスページを訪問したユーザーを対象とした広告です。
皆さんも、以前通販サイトで商品を閲覧したものの購入せずにサイトを離れた際、後日その商品の広告がPCやスマートフォンに何度も表示された、という経験があるのではないでしょうか。それがまさにリターゲティング広告です。
すでに自社のサービスや商品に関心のある見込み顧客をターゲットにするため、費用対効果が高く、問い合わせに繋げやすいといった利点があります。
またリスティング広告と同じく少額からスタートでき、即効性に期待できる点も同施策の強みです。
SNS広告は、その名の通り各種SNSの利用ページにて提示できるクリック型の広告を指し
などの種類が存在します。
SNS広告の魅力は、何といっても「自社や自社サービスと相性の良いユーザー層」を、ある程度選択して広告表示ができるという点です。
例えば「30代~40代男性に向けて、ゴルフ教室の広告を出したい」のであれば、比較的利用層の年齢が高く男性割合が多い「Facebook広告」が良いでしょう。あるいは「10代~20代前半の女性をターゲットに、自社ブランドの化粧品販売を促したい」のであれば、若年層の利用者が多い「TikTok広告」などを選ぶと良いかもしれません。
このように緻密なターゲティング設定により、細やかに広告を表示できるのがSNS広告の魅力です。
Webマーケティング施策3つ目は、ブログ記事や事例を発信しSEO対策の強化を図る「コンテンツSEO」です。
特定のキーワードで検索した際、ユーザーにクリックされやすいとされる「検索結果の上位」に自社サイトが表示されるよう、SEO対策の施されたコラムや記事を作成します。
例えば、男女の婚活支援をおこなう「結婚相談所」がコンテンツSEOに取り組む場合、結婚したい男女に向けたお役立ちコラムや、おすすめの婚活サービスの選び方等を紹介する記事を執筆することになるでしょう。
イメージとしては、以下のようなキーワードを検索したユーザーの検索結果に、上位表示される良質な記事を作成していくという具合です。
▼結婚相談所の「コンテンツSEO」で狙うキーワードの例
コンテンツSEOは成果を出すまでに一定の期間を要するものの、ある程度の知識・ノウハウさえあれば誰でも比較的始めやすく、かつ無料で着手することができる施策です。
「低予算から始めたい」「インハウスで持続的に取り組みたい」という企業にも非常におすすめです。
おすすめのWebマーケティング施策、4つ目は「LP制作・LPO(ランディングページ最適化)」です。
LP(ランディングページ)とは、企業がとある商品やサービスに関して「ユーザーからの問い合わせ」「資料請求」「商品購入」といった行動を促すため、専用に作成する縦長のウェブページのことを指します。
LPでは1つの商品やサービスに特化したページを作ることができるため、より確実にユーザーを問い合わせや購入といったアクションに繋げやすいといった強みを持ちます。
そして、このLPをユーザーの購買行動やニーズに合わせて改良し、より成約率の高い仕様に整えることをLPO(ランディングページ最適化)と表現します。
LPOを達成するためには、まず仮説立案→仮設に基づいたLPの作成→少しずつ変化を加えながら効果検証(A / Bテスト)といったサイクルを地道に繰り返すことで、CVRを高めていくことが必要となります。
LPの場合、先述したホームページに比べ低額の費用で制作できるため「特定の商品を集中的に販売したい」「物を売りたいが、ホームページを制作するほど予算が出せない」という方にも気軽に始めていただくことが可能です。
現代人にとって、今や日常的に触ることが当たり前となったTwitterやInstagramなどのSNSツール。最近では大手企業をはじめ中小企業でも商品のプロモーションや企業の広報活動として、SNSアカウントを運用する会社が増えてきました。
すぐに問い合わせや商品購入といった成果に繋げることは難しい一方、継続的にSNSを運用することで、顧客との心理的な距離を縮めることや、企業へのロイヤリティ・エンゲージメントを高めるといった効果を期待することができます。
例えば、洋菓子メーカーの「シャトレーゼ(Chateraise)」では、Twitterをうまく活用することで「若年層のファン増加」と「来店促進」を成功させています。
具体的には
などの施策に取り組み、運用開始から約1年で12万人にフォロワーを獲得しました。
このようにSNSの運用では、ただ一方的に情報を発信するのではなく顧客と双方向のコミュニケーションを図ること、そしてユーザーが思わず誰かに拡散したくなるような魅力的なコンテンツを発信することが重要です。
また各SNSによって利用するユーザーの属性(性格・男女比・年齢層・利用目的など)が異なるため、自社のブランディングやターゲットの層を踏まえた上で、どの媒体を選択するかを見極める必要があります。
おすすめのWebマーケティング施策、6つ目はメール配信を活用した「メールマーケティング」です。
メールマーケティングとは、自社の商品・サービスに関連する、顧客にとって有益な情報をメールで定期的に配信するWeb施策です。良質なメールを最適なタイミングで送ることにより、顧客との関係構築や購買意欲の向上を図ることが主たる目的です。
例えば、とあるコーヒー豆の専門店では、週に1度のペースで対象ユーザーにメルマガを配信。「自宅でできる美味しいコーヒーの淹れ方」といったノウハウ情報や、「今月10%OFFで購入できる商品の紹介」といったお得情報など、ユーザーが思わず閲覧したくなる内容を提供しています。
またメール配信時に「セグメント機能」を活用することで、顧客の性別や年齢・過去の購入履歴などに基づき、より適したメールを送り分けることも可能です。
このように顧客によって配信内容や日時を変えたい場合、メールマーケティングを自動化する「MA(マーケティングオートメーション)ツール」を導入することで、さらに細やかかつ効率的な運用を実現できるでしょう。
従来に比べ「メール離れ」が囁かれる昨今ですが、それでも一定層に関してメール配信は効果的なマーケティング施策の1つといえます。
また個人ではなく対企業向けのビジネスであれば、メールを活用したWeb施策はまだまだ大きな成果が期待できるでしょう。
メールマーケティングには「メルマガ配信」の他にも「ステップメール」や「メール」といったいくつかの種類が存在します。それぞれの詳細と運用方法については、以下のコラムをご覧ください。
【コラム】メールマーケティングで主要な6種類の方法を徹底解説
以上、中小企業で取り組みたい「6種類のWebマーケティング施策」について解説しました。
顧客エンゲージメントを高めることは「信頼のおける味方」として、意見を求められる現場視点の仲間を作ることに繋がります。
今回は「中小企業のWebマーケティング」をテーマに、中小企業がWEBマーケティングへ取り組むべき理由や、実践すべきおすすめの施策について紹介しました。
今後、ますます市場のデジタル化や顧客ニーズの多様化が進行する中、オンラインを活用した「WEBマーケティングによる集客や購買活動」が、企業にとって必須課題となることは間違いありません。
まずは自社における「既存のビジネスの流れ」を可視化(カスタマージャーニーの作成)し、顧客接点や現在の課題を洗い出すことから始めてみてはいかがでしょうか。
ただやみくもに施策を行うのではなく、それらを踏まえた上で「どういったWeb施策が自社に必要か」を逆算して検討することが重要です。
中小企業の皆さんにとって、本記事が少しでもお役に立てましたら幸いです。
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