2022.12.13
プロジェクトや計画を立てる上で、プロジェクト・マネジャーは「誰が・いつまでに・何をやるか」(=タスク)を決め、その進捗を確認し、遅延している場合は支援を行い、期限までに実行されている状況を創ることは必要最低条件です。
ただし現実として不確実性の高く変数の多い現代において、タスクを予定通りにこなすということは、難易度が高くなっている、というのが現実でしょう。
実際に、弊社で支援しているプロジェクトについても、タスクを落とし込んだ後に、想定外によって当初計画しているより大幅に時間がかかるという局面によく遭遇します。
その際にプロジェクト・マネジャーが対応するべきは、「このタスクが遅滞するということは関連して何が遅延するか」の予測や、「タスクを細かく輪切りして分散化して手分けする」などです。
従って、プロジェクトが進む上で、タスクの優先順位が変わる、スケジュールが変わる、粒感が変わる、そして担当が変わります。
この可変的な管理方法として、ホワイトボードなどのアナログで管理する、もしくは人の能力で管理するには限界があります。
他方、クラウドではメンバーと共有しながら進める上でのツールは多数ありますが、弊社では総合的に判断の上、主にNotionとGoogle Workspaceを活用し、支援先のプロジェクトメンバーとプロジェクト管理用のデータをクラウド共有しながら、プロジェクトを共有しています。
今回はプロジェクト管理の実務的に使うツールとして、中小企業でぜひご利用いただきたいGoogle WorkspaceのGoogleスプレッドシートに「タイムラインビュー」という機能について、ご紹介します。
Googleスプレッドシートは、Googleの表計算サービスです。
表計算ソフトで代表的なものは当然ながらマイクロソフトのEXCELですが、EXCELとの互換性もあり、アクセス方法は主にインターネットに接続した状態でのブラウザです。
ここではわかりやすく説明するために省きますが、実はオフライン状態で使えたり、EXCELの関数がほぼ使える、他方Googleスプレッドシートならではの関数や機能があり、Google App ScriptやQuery関数など、自動更新をさせてダッシュボードを創るということも実現、企業でも十分活用ができるサービスです。
弊社では企業向けの有料プランである「Google Workspace」のサブスクリプションを使い、Googleドキュメント、スライドなどとともにGoogleスプレッドシートを利用しています。
今回ご紹介する「タイムラインビュー」は2022年12月10日現在、Google Workspaceの組織のみの機能となりますので、ご注意ください。
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タイムラインビュー機能をご紹介する前に、まずは中小企業がプロジェクト管理において、Googleスプレッドシートを使う上でのメリットとデメリットについて、3点に絞ってご紹介します。
Googleサービスにおいてそのシェアを伸ばした最大の理由はクラウドサービスならではの共有、リアルタイムでの同時編集を挙げることができます。
一方、リスクとしてはデフォルトの設定の場合、誤って関係のないメンバーに共有をしてしまう、と言ったことが発生します。
プロジェクト・マネジャーは必要に応じて、Googleドライブやスプレッドシートの共有をさせない設定が必要です。
▼右上の共有ボタン→ポップアップの右上にある歯車アイコンをクリック
▼「編集者は権限を変更して共有できます」のチェックボックスを外す(デフォルトはオンになっています)
これでプロジェクト・マネジャーが編集権限で共有した相手が誤って共有できなくなります。
なお、余談ですが、マイクロソフトのOffice365においても、One Driveに入れたEXCELファイルは同様に同時編集が可能ですが、マイクロソフトの場合はこれまでの習慣と、デスクトップアプリがある関係で、同時編集機能自体を知らないという方もいらっしゃいます。
共有機能は特段Googleスプレッドシートの機能だけではない、ということの補足でした。
大抵のビジネスパーソンであれば、EXCELを使うことができます。
Googleスプレッドシートでプロジェクト管理をする上でのメリットは、EXCELのような表計算アプリである点です。
プロジェクト管理ツールは多数ありますが、仮に新しいツールを導入した場合、そのツールをプロジェクトメンバーが習得するまでに時間工数が必要となります。
慣れているツールとそうでないツールでは、プロジェクトの走り出しの加速度が変わります。
一方デメリットとしては、EXCELとメニューが異なったり、EXCEL間のデータのリンクが異なる、描画ツールが異なるなどが挙げられます。
使い方がやや違うからできない、というように感じるかもしれませんが、実態としてできないことはほとんどありません。
Google Workspaceは1アカウント月額680円から利用できます。
他のプロジェクト管理ツールは数千円〜数万円かかります。
もちろんプロジェクト管理の目的だけではなく、表計算として使ったり、プレゼンテーションツールのGoogleスライド、文章ツールGoogleドキュメント、オンライン会議ツールのGoogle Meet、Googleドライブなども付加されています。
まさにこれらを活用するだけで、十分にビジネスを推進できます。
デメリットとしては、サブスクリプションモデルであるため、組織の拡大によってコストが上がっていくことが挙げられます。
他にも、ツールで言えばオンラインホワイトボードツールJamBoard、Google Cloud系のアプリケーションも利用が可能です。
また組織が大きくなり、データ量が大きくなった暁にも、柔軟にプランを変えることができます。
Googleスプレッドシートのタイムラインビュー機能は2021年にリリース告知され、2022年11月に追加されました。2022年12月現在、対象はGoogle Workspaceのみです。
タイムラインビューとは、プロジェクトの進行状況を俯瞰して追跡できる機能です。
プロジェクトメンバーのみならず、プロジェクト・マネジャーにとっては以下の利点があります。
上記は弊社で設定したタイムラインビューのイメージです。
進捗や相関関係が非常に見やすくなっています。
このタイムラインビューの読み取り元のシートは別タブに設定していますが、実際は以下の表に記載の内容が上記のように表現されます。
なお、作成に際して細かな仕様や設定については今回割愛しますが、プロジェクト管理を円滑に進めるためにお役に立つことができればという思いから、今回、弊社で実際にプロジェクト管理用で使用しているこちらのテンプレートファイルを無償配布させていただくことにしました。
弊社で作成したプロジェクト管理シートの主な特徴はこちらです。
詳細はファイルにも記載していますが、流れとしてはファイルのURLへアクセス→コピーを作成し、ご自身のGoogleドライブに保存してからご利用ください。その後簡単な初期設定を行って頂ければご利用になれます。
フォーム登録後に届くメールに記載のURLへアクセスすると、閲覧のみ可能のスプレッドシートにアクセスできます。
ご自身のGoogleアカウントでログイン後、ファイル→コピーを作成をクリック。
表示されるポップアップで任意にドキュメント名の変更や保存先の変更ができます。
これでファイルがご自身で使える状態になります。
タブ「タスク_プルダウンリスト」にある「ステータス選択項目」「 カテゴリー選択項目」「担当者名選択項目」の色付けエリアにそれぞれ必要な担当者名やカテゴリー、ステータスの変更などを行うと、「タスク管理」「タイムライン」に反映されます。任意に設定をしてください。
選択項目(色付けのエリアを任意にご変更ください)
以下のタスク管理のプルダウンに反映されます。
特にカテゴリーや担当者名を追加しておくと、後ほどスムーズです。途中での追加も可能です。初期設定はここまでです。
タスクは「タスク管理」に記載します。
ステータスは各タスクの進行状況を指します。
デフォルトでは開始前→緑色、進行中→太字、完了→グレーアウトに色付けされます。
同様に「タイムライン」にも色が反映されます。
以下のようにタイムラインビューでも反映されます。
カテゴリーは、タイムライン上の左の「カテゴリー」に分けることができます。
タスク管理への追加が、カテゴリーがバラバラでもカテゴリーごとに成形されます。
カテゴリーを指定すると以下のようにカテゴリーとして大項目を分けることができます。
開始日・終了日はセルをダブルクリックすると、カレンダーが表示されます。
ダイレクトに打って頂いても(日付に準拠した形式であれば)反映されます。
開始日と終了日をそれぞれ記載してください。どちらか片方だけでも反映はされます。
タイムラインビューのスケジュールをクリックすると、その内容が「カード」として表示できます。
右下のデータ編集を押すと、該当の「タスク管理」タブのセルに移動します。
タイムラインビューの右上にある「今日」「月」などでその日に移動したり、表示を変えたりが可能です。
なお、配布用のファイルはわかりやすく見ていただくために、初期値をダミーで入れています。
タスク管理で該当セルを削除すると、デフォルトの状態になります。
Googleスプレッドシートはなんと言っても表計算ソフトの一部として使える点が利点です。
今回アップデートにより、Google Workspaceユーザーであれば、タイムラインビュー機能が使えることになりました。
運用ルールさえ定義できれば、簡単にチーム内外と共有しながらプロジェクト管理・可視化が可能です。ぜひご利用ください。
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