コラム

DXやビジネスの本質を見抜く思考 – いま必要な個別最適解を見つける思考とは

2023.01.25

「最近いいクラウドツールはないですか?」「SNSを始めたいと思っているんですがどう思いますか?」

交流会などで名刺交換をした際に、弊社へ興味を持ってくださる方からよくこういったご質問を頂きます。そこで私はかならずこのように回答いたします。

「世の中にあるツールやサービスはどれも素晴らしいんですが、必ずしもそれが御社の状況に合うとは限りません。」

この思考のあり方こそ、現代の様々な企業の課題に必要な思考術の一つだと考えます。

本日はビジネスパーソンなら持つべき思考術の一つ「個別最適化を追求する思考法 」について、ご説明したいと思います。

特にDXやマーケティングはもちろん、あらゆる役割や職務で再現可能な思考法ですので、ぜひ最後までご覧頂けると幸いです。

人はひとりひとり違うように自社は他社と全く違う

よくこんなたとえ話をセミナーの導入部分でします。

あなたは昨日夜からいままで経験のないひどい頭痛に悩まされていて、歩くのもやっと。翌朝、近所のクリニックに行きました。そこでドクターに症状を伝えたところ、

「頭痛ですね。じゃ頭痛薬出しておきますね。先日あなたぐらいの年齢の方が頭痛とおっしゃっていたので、同じ薬出したんですが、翌日には良くなったみたいですよ。」

検査もなくこのようなことを言われたらあなたはどのようなことを感じますでしょうか。

ひどいやぶ医者だ、前の人と自分は違うのに、検査もせず…原因が脳とかの影響だったらどうするんだ、そんなことを思うのではないでしょうか。

あくまで極端な作り話のように思われたかもしれませんが、これがDXやビジネスの現場で起きている現実でもあります。

つまり、

  • 自社と競合は異なる
  • 自社の課題の特定もせずに解決策から入る

というニュアンスです。

冒頭、私が「世の中にあるツールやサービスはどれも素晴らしいんですが、必ずしもそれが御社の状況に合うとは限りません。」と回答をすると申し上げたのは、個別の最適解がわからないうちに、解決策を講じても結果が出ないということを伝えたいという背景からの言葉でした。

クラウドサービスやソリューションはどれも素晴らしい

他方でよく伺う話として、「〜という広告を見て、そのクラウドサービスを導入したんですが、自社に合いませんでした」という声です。

半ばがっかりだったというニュアンスでお話しされるケースがありますが、その責務を企業側にすべて押し付けるのも酷だなという感想を持つことがあります。

つまり、先程の医者と頭痛の例え話で言うと、頭痛薬やその製薬会社の批判をするという行動と変わりません。

自社にとっての個別最適解かどうかわからないうちに、ツールを導入してしまっている時点で、この悲劇は起きてしまいます。

クラウドサービスやソリューション企業は我々と同様に企業体です。

収益を上げることを株主や社会から求められている以上、製品やサービスのプロモーションを全力で行います。

市場から広く興味を持ってもらう過程において、わかりやすく伝えるために、その機能だけではなく、「こういった姿になることができる」というようなマーケティング活動を行うこともあるでしょう。

また世の中には課題がたくさんあります。

その課題を最大公約数的に解決できる解決策について、再現性を持って大量に提供ができる企業は成長します。

つまり、製品やサービス自体も貴社のサイズや課題へ対して、完璧なフィットはまずありえないのです。

話は変わりますが、仮に自社で結果が出なくても、結果が出ている利用中の企業があるからこそ、そのサービスやソリューションが存在しています。

つまりどのクラウドサービスやソリューションも成果の出るものであることは間違いありません。

個別の最適解が必要な理由

ここまで、説明した中での要点をまとめると、

  • 自社の本質的な課題は何かを見つけること
  • その本質的な課題にフィットするソリューションを探す

この2点に集約できます。

フィットするソリューションは自社の課題がわかった後に探せば良いということになりますので、ここでは触れません。

一点目の個別の最適解が必要な理由について、ご説明したいと思います。

まず個別の最適解とは。

冒頭のクリニックの例え話で言うと、自身の出ている症状の原因を指します。

例え成功事例の業界が同じ、企業サイズが同じであっても、全く別物のはずです。

参考にするのは構いませんが、その事例から意思決定するのは非常に危険と言わざるを得ません。

再び事例の例え話に戻ると、あなたが患者であった場合、自分が頭痛薬で治るのか、そんな疑問を持ちながら、頭痛薬を投薬し続けることはできますでしょうか?

また、ならではの企業文化や強みがあります。強みを活かし続けながら、治療をしたり、その強みを伸ばしていく、それは他社にありません。

それを活用しない手はありませんよね?

個別の最適解を導くためには

個別の最適解を導くためには、弊社では以下のような論点について分析をします。

  • マクロ環境分析
  • 市場・業界分析
    • 顧客体験価値分析
    • コスト構造の分析
  • 自社製品・サービス分析

それぞれについて、じっくりとヒアリングを行い、業界理解を高め、業界での特異な点や、各バリューチェーンにおける経済性の状況、そしてなんと言っても顧客へ対して「体験」として価値を提供できてるか、もしくは提供できていないとしたら、それはどのような要素かを見極めます。

その上で、市場との整合性を取っていきます。

いわゆるMBA的なアプローチと、時間軸での体験としての価値の往来をしながら、クライアント様企業における個別の最適解(勝ち筋)を見出します。

このプロセスなしでは、大抵の場合は分析が粗くなってしまい、ただの頭痛なのか風邪なのか、他のウィルスなのかがわからなくなり、実際に他社で成功したソリューションで効かなくなってしまう、そのようなことが起きるのです。

まとめ

本日は「DXやビジネスの本質を見抜く思考」というテーマで更新しました。

本文中で要点を繰り返しましたが、まずは自社ならではの個別最適解をどのように見出すかが重要です。

弊社ではこの個別最適解を見極めることを、コンサルティング支援の最初のステップとして1~2ヶ月程度お時間を頂いております。

MBAホルダーを2名抱え、ベンチャー企業の支援やデジタル・ディスラプションなどを現場で目の当たりにしている弊社だからこそできる強みと考えています。

弊社では多くの企業様にとって必要な要素と考え、一般の社員を2~3ヶ月雇用する程度で支援させて頂いております。

ぜひまずは気軽にご相談ください。

最後までお読みくださいまして、ありがとうございます。

こちらのコラムでは、カスタマーサクセスや顧客体験価値、マーケティングなどを中心に、現代の中小企業やベンチャー企業の抱える課題について実務を通じて得た知見を中心とした本質的な記事を目指し、定期的に更新しています。

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寄稿者

廣瀬隆彦(CX Value Lab株式会社代表取締役)

エンターテイメント企業でアーティストのマーケティングや直販ECサイトなどの新規事業に従事、世界的レストランチェーンのマーケティング責任者や最大手フリマアプリ企業のカスタマーサービスのマネジメントを経て、CX Value Lab株式会社を創業。

SaaSベンチャー企業の支援や中小企業の新規事業・DX化支援などを中心に、社内起業家の育成なども行う。グロービス経営大学院大学卒業(経営学修士・MBA)

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