2023.02.16
今回は、カスタマーサクセスについてのコラムの中で何度かお話ししておりますVoC(顧客の声)をどのようにして、顧客体験価値の向上や事業成長に結びつけていくのかについてご説明いたします。
不確実な時代の中、企業と顧客との関係が変化し、様々な情報取得においては顧客が自ら収集できる状況です。企業は、顧客の変化にいかにして早く察知し顧客体験価値に反映させて向上させることで、顧客満足度をあげ、継続利用してもらうための活動を通じて顧客と向き合うことが重要です。
顧客の顕在化している声や潜在化している声を収集し素早く自社の商品・サービスに反映することが求められています。
目次
VOC分析とは、自社の商品やサービスについて顧客の意見や声を収集・分析して企業活動に活かす分析手法です。
企業は自社の商品・サービスの顧客満足度を測るために、GoogleフォームやWEBアプリケーション内のアンケート、コンタクトセンターでの顧客対応やSNSなどのチャネルを通じて収集された「顧客の声」を分析します。
顧客の声(VoC)収集し分析することで、自社の商品・サービスを顧客が利用し続けるために必要な改善や機能追加をおこないます。顧客が求めている自社の商品・サービスに対する潜在的な思いを理解し、本当に求められている商品の状態に近づけることができます。
カスタマーサクセス実現に向けては顧客が体験している中で感じた声を拾い、いかにして素早くビジネスに反映させポジティブな影響をもたらしていくのかが重要です。
顧客の声を直接聞ける貴重な部門であり、普段から顧客と密接につながっています。そのため、VoC(顧客の声)を収集するにはとても優れています。
カスタマーサービスでは、自社の商品・サービスに関するお問い合わせ対応をしています。ログインできない、思っていた商品と違った、操作でわかりにくいところがあるから教えて欲しいなどたくさんの要望や不満に対して対応します。お問い合わせを収集し分析して、顧客に能動的に関与することでカスタマーサクセス実現や事業成長に結びつけます。
SNSは顧客が自社の商品・サービスを利用ている家庭やその結果が投稿されます。顧客の声としてリアルな声であり、メリットもデメリットもあります。ただし、匿名での投稿もできるため、顧客の本音が出やすくリアルな顧客の声として収集できます。
注意する点としては、SNSには偽アカウントも存在しますし、全てをそのまま鵜呑みにしないことが大切です。何が価値のある顧客の声なのかを見極め活用します。
アンケート調査はVoCの収集・分析によく用いられている手法です。
手書きのアンケートで意見箱に投函する方法からはじまり、現在は、Webアンケートなどで収集しています。WEBアプリケーションを利用しているとアプリケーション内で評価を求められることや、商品を購入した後にメールやSMSで届いたりします。Googleフォームを活用して収集していることもあります。
VoC(顧客の声)分析をおこなうことで、顧客満足度の向上や自社商品・サービスの品質改善や機能改善、新商品開発につなげます。
それによって、売上や収益の向上に期待ができます。ロイヤルカスタマー獲得に向けて顧客満足度を向上させ、自社のサービスに対するファンをどんどん増加させていきます。口コミなども増え、顧客が顧客を紹介する状態になります。
また、ファンがたくさん増えていくことで、新しい機能や新商品を試してもらい意見を聞いて改善しながら世の中に発信していくことができます。商品サイクルが早い時代のため、顧客が求めているものを他社よりも早く世の中に発信していくことで差別化をはかることができます。
VoC(顧客の声)分析を通じて顧客満足度を向上できます。
自社の商品の顧客体験についてポジティブな評価もネガティブな評価もSNSなどで拡散されますので、顧客獲得にも顧客離れにもなります。カスタマーサービス部門でのクレーム対応やお問い合わせ対応によって顧客の課題を素早く解決したり、素早く代替案を提供することで不満や不平をなくしていきます。
また、アンケート収集の内容をカテゴリー分けして、経営層で対応するものや開発部門で対応するものなどに対応を分けることで自社の商品のスピーディーな改善をおこないます。全ての声を反映させることはリソースの問題でできないこともあるため優先順位を決め実行することで、自社商品の継続率アップや解約率低減をします。
VoC(顧客の声)分析によって顧客のニーズを正確に把握することができます。
なぜ、自社の商品の利用率が低いのかという課題や契約して3ヶ月後の解約率がなぜ高いのかという課題がある場合、VoC(顧客の声)分析をおこない顧客ニーズとのズレを明確化し、顧客体験が向上するように品質改善や機能改善ができます。やみくも意見を出し合って品質改善や機能改善をおこなうよりも顧客の声が反映されるため効果的です。また、VoC(顧客の声)の中に新商品開発のヒントが眠っていることがあります。
課題
自社のアプリケーションの利用状況が低く、たくさんの機能があるが活用できていない。解約率は1%で低かったので原因を把握したいと考えていた。
施策
1.Googleフォームでアンケート収集して分析を行う
2.アンケートで収集した内容を分析する。
3.電話で直接アンケートをとる。
気づき
分析した結果、価格帯に対して機能が多い事に満足していたが、機能があり使いきれていなかった。顧客はたくさんの機能を使いこなすことよりも、使いたい機能が使えているため解約率が1%だった。
対策
1.価格設定に対する機能を見直し、オプションでたくさんの機能の中から顧客が選択できるようにすることで利用率が改善されるようにする。
2.追加機能をオプションとしたことでアップセルやクロスセルにつながり売上や利益が向上した。
課題
1.お問い合わせ数が多く削減したい。
2.購入した覚えがないというお問いあわせを削減したい。
3.簡単な操作についてお問い合わせがあるため原因を把握したい。
施策
1.アンケート収集を行い顧客の声を収集し分析する。
2.電話でのお問い合わせ内容を分類分けして分析をする。
気づき
1.アンケート結果から導入からオンボーディングプロセスを見直す必要が見つかった。
2.マニュアルが不足しており顧客は課題を解決できる環境でなかった。
対策
1.マニュアル作成とよくある質問をWEB上に設置して自己解決を促進する。
2.導入からオンボーディングプロセス再構築して体験価値改善を進める。
イメージ図:カスタマーサクセスの概念図
今回のコラムのVoC(顧客の声)はオペレーション/仕組みと顧客体験中心の戦略を実現するために必要不可欠です。顧客体験を改善するには、顧客の顕在的な声と潜在的な声を収集し分析します。社内だけの声では顧客やマーケットのニーズを満たしているのか、把握できているの不明です。
そのため、カスタマーサクセス実現において、VoC(収集)は、オペレーションを磨いたり、なぜ必要か、何を届けるのかを決定していくために活用します。VoC(顧客の声)の収集は、自社の商品・サービスの利用データや購買データだけでは読み取れない課題発見にもつながります。顧客が発している声をしっかりと受け止めて顧客ロイヤリティを向上させファンを増やしていきます。
VoC(顧客の声)の収集や分析によるメリットについて紹介しました。カスタマーサクセス実現のためには顧客の声は重要なデータであり、顧客と向き合うきっかけにもなります。仮説をたて、なぜVoC(顧客の声)が必要なのか、どのチャネルでVoC(顧客の声)を収集するのか、何を実現するのかを明確にして実行していくことが大切です。ただ収集する、ただ分析するではなく目的を持ってデータ活用します。
弊社では、VoC(顧客の声)を収集するアンケート作成から分析、カスタマーサクセス実現に向けたデータ活用、体験価値向上のためのコンサルティング支援をおこなっております。お気軽にご相談ください。
内山直幸(CX Value Lab株式会社シニアコンサルタント)
業界最大手の広告代理店にてセールス、事業企画、マネジメント業務に従事、最大手フリマアプリ企業のカスタマーサービスのマネジメント、医療系スタートアップの事業推進を経て、CX Value Lab株式会社に入社。SaaSベンチャー企業の支援や中小企業のカスタマーサクセス支援、カスタマーサポート支援、新規事業・DX化支援、組織マネジメントの伴走支援を行う。グロービス経営大学院大学卒業(経営学修士・MBA)
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