コラム

リスキリングとは?これからの時代に必要な人材育成~変化に対応できる人材の確保~

2023.03.02

昨今、業務改善のためのツール導入やAIの活用による業務の最適化など、ビジネスを取り巻く技術的環境は日進月歩で変化しています。しかし、それらのツールを導入したとしても使いこなせる人材がいなかったり、そもそも自社が抱える問題に対してどのような技術を取り入れればよいのか判断することができなければ事業継続・発展をしていくことが困難となってきています。

自社が今どのような状況にあり、これから何をしていけばよいのか整理して、社内人材の学び直しにより、社内人材に必要なスキルや知識を身につけてもらいこの課題を解決しようとする動きがあります。

社内に新規事業立ち上げや、DX・GX推進を可能とする人材を育成するための「事業展開等リスキリング支援コース」が厚生労働省より創設され、国としても「リスキリング」によって新規事業の立ち上げや事業展開の促進、社内デジタル化やDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進めることで、業務効率化や事業成長につなげていく支援が開始されています。

リスキリングが話題になっている背景

①リスキリングについて様々な場所で宣言されたことによる影響で注目されています

国内外問わず「リスキリング」が注目されており、2020年に開催された世界経済(ダボス)会議では「2030年までに地球人口のうち10億人をリスキリングする」と発表され、また、2022年10月に岸田首相が、リスキリング支援に今後5年間で1兆円を投じる方針を打ち出された影響があります。

②テクノロジーの進化により顧客ニーズの多様化、ビジネスモデルの変化が起きている影響で新たなスキル取得が求められています

テクノロジーの影響で顧客行動が大幅に変容し多様化しています。今までのビジネスモデルでは顧客のニーズを満たせなくなり、事業成長が乏しくなったり、新たな競合にシェアを奪われたりしています。

ビジネスモデルを変化するには新たなスキルや知識を取り入れて事業戦略を実行する必要がありますが、そもそも社内にそういう人材が不足したり、スキルや知識がないという課題がうまれています。

③人材不足解消や事業成長にデジタル化・DX(デジタルトランスフォーメーション)化が必要不可欠になってきています

少子高齢化やコロナの影響により働ける環境も大きく変化し、新しい働き方への対応や人材不足解消のために業務効率を推進していくことが求められています。今までの業務プロセスでは非効率性がうまれ、変化に対応できなくなってきています。

そのため、デジタル化・DX(デジタルトランスフォーメーション)化に必要な人材を社内で育成することが重要です。

リスキリングとリカレントとの違いは?

新たなスキルを身につけていくという工程は同じですが、「リスキリング」では、企業が新しいスキルを社員に身につけてもらうことに主軸が置かれています。

戦略的に社内人材にスキルや知識を取得してもらうことで、中長期的に会社の中で活躍してもらうことが可能になります、働くモチベーション向上にもなります。

また、企業が新規事業の立ち上げや社内DXを推進して業務効率化をおこなうためにもリスキリング支援がはじまっています。

一方、「リカレント」は大学に入り直すなど、比較的自らの意思で別のスキルを身につけることです。「リカレント(recurrent)」は日本語で「反復」「循環」などと訳され、回帰教育、循環教育とも呼ばれます。社会人としてこれからの時代で自分自身が生き残っていくため、活躍していくためにスキルや知識を身につけることになります。

少子高齢化で人材不足になる企業が増えることも予測されるため、働く期間が伸びていくことを想定して長く働けるためのスキルや知識取得が求められます。

リスキリングに取り組むメリットとは?

①社内の文化や価値観を理解した人材が取り組む

会社の文化や価値観を理解している人材だと新しいことを学ぶ中でどのポイントが既存事業に活かせそうなのかや課題を発見できるため、会社のことをわかっている人材に身につけてもらうことは大きなメリットになります。

外部環境の変化によってビジネスモデルの変更が余儀なくされます。その変化に応じて採用していくと育成期間も費用もかかります。

また、企業文化や価値観に合う人材を採用することよりも社内の人材に新たなスキルや知識を身につけてもらう方がコストメリットもあります。

②行動変容のきっかけとなり新しいアイデアが生まれる

新しいことを学ぶことで今までと異なる思考や行動へとつながり、新規事業の立ち上げに必要なアイデアや既存事業を成長させる戦略に新しい知識を活かしたりすることができます。

自ら学びにいくための時間が確保できなかったり、何を学べばいいのか自分で判断できないなど課題があると思います。

そのため、企業がカリキュラムを準備し、事業に必要なスキルや知識を身につけてもらうことは社員にとっては自己成長になり、企業にとっては育成が進み社員のキャリア形成になります。

③業務の効率化ができる

今までの業務プロセスやルールによって非効率と思っていたが、何をすればいいのかわからなかったことが、新しいスキルや知識を身につけることで改善方法に気づいたり、一からプロセスを見直して効率化を測ることになります。

社内DX化で業務効率化を進める際に、よくある課題として、そもそも社員に必要なデジタルスキルがない、今までのやり方に慣れているためわざわざプロセス変更に現場から抵抗があるなどの課題があります。

「リスキリング」で社員に必要なスキルが身につけば、スキル不足が解決するだけでなく、どうすれば効率よくなるのかやDX化の必要性に自ら気づいて行動することになります。

また、効率化されたことで空いた時間を別の業務に活用できるようになるため、結果として社員規模はそのままでも事業成長が可能になります。

リスキリングの導入ステップ

まとめ

社内の人材に新しいスキルや知識を身につけてもらうことで、外部環境の変化への適応、新しいテクノロジーへの対応をおこない、新規事業の立ち上げや事業展開に活かします。

必要なスキルや知識不足を補い業務効率化のためにデジタル化や社内DX化を推進できる人材育成が重要です。導入していくまでに、現状整理や何を実現していきたいのか、どのようなシュミレーションやカリキュラムを取り入れれば解決できるのかは企業様によって様々です。

また、中期的な取り組みになるため、カリキュラムがマッチしないとなると課題解決にはなりませんので、現状整理をおこないギャップを明確にしてカリキュラムを作成し、参加した社員が成長したと実感できる取り組みにしていきましょう。

弊社では、現状整理のお手伝いやシュミレーションを作成したりカリキュラムのご提案をさせていただいております。まずは、無料にてご相談を受付ておりますのでお気軽にお申込みください。

寄稿者

内山直幸(CX Value Lab株式会社シニアコンサルタント)

業界最大手の広告代理店にてセールス、事業企画、マネジメント業務に従事、最大手フリマアプリ企業のカスタマーサービスのマネジメント、医療系スタートアップの事業推進を経て、CX Value Lab株式会社に入社。SaaSベンチャー企業の支援や中小企業のカスタマーサクセス支援、カスタマーサポート支援、新規事業・DX化支援、組織マネジメントの伴走支援を行う。グロービス経営大学院大学卒業(経営学修士・MBA)

まずは資料請求から。無料の詳しい資料をお送りいたします。
以下のボタンをクリック!

メールマガジンはこちら トップページはこちら