コラム

中小企業で実現するプロジェクト管理 – リーダーシップ編

2023.05.04

前回、中小企業にとってもプロジェクト管理が必要なこと、ただし中小企業という限られた経営資源の中で、プロジェクト管理をする難所があることをこちらのコラムで言及しました。

不確実性の高い現代において、プロジェクトを素早く、検証可能な状態で推進・実行する必要性があります。

ただし、プロジェクト管理は人材やプロセス、経験や知見などの面において中小企業が推進することの難しさがあります。

当社はコンサルティング(分析、勝ち筋の明示)に加えて、プロジェクト管理の仕組みを創り、伴走しながらプロジェクト自体の実行と、組織に対するプロジェクトの仕組みの浸透までをゴールに支援しています。

今回はプロジェクト管理に必要なリーダーシップについて、言及していきたいと思います。

プロジェクト管理におけるリーダーシップ

中小企業でのプロジェクト管理においては、プロジェクトリーダーが重要な役割を果たします。

プロジェクトリーダーは、プロジェクトを成功に導くためのマインドセットやスキルセットを持っている必要があります。

しかし、中小企業においては、プロジェクトリーダーになるための専門的なトレーニングや教育が不十分であるケースがあります。

このような状況下で、プロジェクトリーダー自身は自己啓発や自己学習を通じて、必要なスキルや知識、マインドセットを身につける必要があります。

また、当社のような中小企業におけるプロジェクト管理において深い知見を持った企業の支援を仰ぎながら、マインドセットやスキルセットを身につけていくという手段もあるでしょう。

プロジェクトリーダーに求められるマインドセット

プロジェクトリーダーには、以下のようなマインドセットが求められます。

プロジェクトを成功させることに情熱を持つ

プロジェクトリーダーは、プロジェクトを成功させるために、情熱を持って取り組むことが求められます。

そのためにプロジェクトの目的を誰よりも理解し、納得をした状態で臨むことが前提です。

経営層がリーダーとして任せる人材には、元来持つ気質や情熱もさることながら、情熱を生成するための環境、そしてリーダーにとってのWhy?

ー なぜプロジェクトをするのか、このプロジェクトがどのような社内的なインパクトを起こすのか、そしてそれはリーダーや周りにとってどのような影響を及ぼすのか ー

を話し合うということが必要です。

チームメンバーの能力を最大限に引き出す

プロジェクトリーダーは、チームメンバーの能力を最大限に引き出し、それぞれの得意分野を活かすことが求められます。

そのためには、個々のメンバーがどのような仕事に向いているのかを把握し、適材適所な仕事配分を行うことが必要です。

不確実性を楽しむこと

プロジェクトには、当初計画になかった、想定外が常につきまといます。

この想定外の自体に備えるための準備や計画も必要ですが、不確実性の時代であることを前提として、想定外のことをあえて楽しみ、新たな課題や挑戦としてどのように対処していくか、それをチームにどのように伝えていくか、という一連のポジティブなマインドセットが必要となります。

倫理観・価値観

プロジェクト推進にあたっては、目標として与えられた期限や経営資源、また責任をどう取るかなど、厳しい判断が必要な局面が必ず発生します。

その局面においても、自身の”正しい”価値観や倫理観に則り行動ができるかが重要です。

場合によっては、倫理や価値観に関して経営層やマネジメント層に相談する、という柔軟な対応も必要でしょう。

プロジェクトリーダーに求められるスキルセット

プロジェクトリーダーには、以下のようなスキルセットが求められます。

プロジェクト管理スキル

プロジェクトを当初目標通りに進めるためには、プロジェクト管理のスキルを持っていることが求められます。

具体的には、スケジュール管理、コスト管理、品質管理などが挙げられます。これらのスキルを持っていることで、プロジェクトを円滑に進めることができます。

プロジェクトを進めるためのツール

プロジェクトを進めるためには、ツールがあった方が効率的かつ正確に進められるでしょう。

ツールは主にタスク管理、ガントチャートやWiki、会議議事録、コミュニケーションツール(slackやChatworkなどのチャットツールなど)などが挙げられます。

当社では、プロジェクトを進める上で利用可能なGoogleスプレッドシートのタイムライン機能を使ったプロジェクトマネジメント用のシートを無償配布しています。よろしければご活用ください。

プロジェクト開発と当該テーマに関する専門知識

プロジェクトを推進するためには、そのテーマに関する専門知識を持っていることが前提となります。

一方で新規事業のプロジェクトにおいては、社内にその知見が全くない、という状況もあります。

その場合はリスキリングの助成制度などを活用し、社内のメンバーやリーダー自身が学ぶという手段もありますが、期間がない場合はその分野における専門家をプロジェクトチームに参画していただく、という打ち手も必要でしょう。

コミュニケーションスキル

プロジェクト推進にあたっては、メンバーと共創することが必要です。

自身のコミュニケーションスキルもさることながら、飲み会などのカジュアルな場で、チームとしてリフレッシュするという打ち手も重要でしょう。

ビジョンを示すスキル

スキルセットの最後に挙げたいのは、プロジェクトのビジョンを示すスキルセットです。

プロジェクトをなぜ行うのか、どういったインパクトがあるのかを示し、チームの凝集性を図ることが重要です。

そのためには、冒頭挙げた通り、リーダー自身がこのプロジェクトに腹落ちして進めること、そしてリーダーがそのビジョンを示すことに決して手を抜いてはいけません。

「自分はリーダーとして、このプロジェクトを通じてどんな世界やインパクトを残したいのか」と自問自答し続けることも大切でしょう。

プロジェクトリーダーにとっての難所

プロジェクトには、必ず様々な難所が存在します。

プロジェクトリーダーは難所を乗り越えるために、マインドセットやスキルセットを動員するのはもちろん、経営層はリーダーのサポートをしていくというコミットメントも必要です。

リスクマネジメント

プロジェクトリーダーは、リスクマネジメントを行うことが必要です。

具体的には、リスクを予想し、そのリスクに対する対策を考え、実行することが必要です。

リスクを予想し、対策を考えておくことで、プロジェクトを円滑に進めることができます。

コスト管理

プロジェクトリーダーは、コスト管理を行うことが必要です。具体的には、プロジェクトの予算を把握し、予算内でプロジェクトを進めることが必要です。

コスト管理を行うことで、無駄な出費を抑え、プロジェクトを効率的に進めることができます。

スケジュール管理

プロジェクトリーダーは、スケジュール管理を行うことが必要です。

具体的には、プロジェクトのスケジュールを把握し、期限内にプロジェクトを完了することが必要です。

スケジュール管理を行うことで、プロジェクトを効率的に進めることができます。

不確実性への対処

マインドセットでご紹介しましたが、VUCAと呼ばれるこの時代において、不確実な事態は必ず発生します。

その事態に対してどのように対処していくかがリーダーにとっての難所となるでしょう。

人間関係

かのブッダが人間においてのほとんどの苦しみは人間関係から生じていると言及した通り、プロジェクト管理においても人間関係から発生するズレは必ず起きます。

その対処のために必要なのはリーダーがビジョンを示し続けるということに尽きます。

高い人間性などは必要なく、ビジョンを示し、コミュニケーションを続ければ、会社組織にいる以上は、必ず人を動かすことができます。

まとめ

以上、中小企業のプロジェクト管理において必要なリーダーシップについて言及いたしました。

当社では中小企業やベンチャー企業における新サービス、新規事業などのプロジェクト管理の伴走支援を行っています。

既にプロジェクトを立ち上げたものの、うまく行かないというケースや、これから立ち上げるというケースでも支援いたしますので、まずは気軽にご相談ください。

寄稿者

廣瀬隆彦(CX Value Lab株式会社代表取締役)

エンターテイメント企業でアーティストのマーケティングや直販ECサイトなどの新規事業に従事、世界的レストランチェーンのマーケティング責任者や最大手フリマアプリ企業のカスタマーサービスのマネジメントを経て、CX Value Lab株式会社を創業。

SaaSベンチャー企業の支援や中小企業の新規事業・DX化支援などを中心に、社内起業家の育成なども行う。グロービス経営大学院大学卒業(経営学修士・MBA)

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