コラム

個人・組織の成果を最大化するために効果的な心理的資本とは

2023.07.13

今回は心理的資本が、個人や組織の成果を最大化するためになぜ重要なのか、どのような役割を持っているのか寄稿します。

現代ビジネスは環境の変化が激しく、顧客ニーズも多様化し、予測困難だと言われています。

企業は、自社が提供したいと考えている製品やサービスを作るのではなく、顧客の体験を考え、心を考え、継続利用されるために必要な要素を考え抜き、製品やサービスを提供していく必要があります。

そのため、新しい知識やスキル、テクノロジーを活用し、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進や人的資本経営への取り組みによる中長期的な企業価値向上を目指す動きが注目されています。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタルテクノロジーを使用して、ビジネスプロセス・文化・顧客体験を新たに創造して、変わり続けるビジネスや市場の要求を満たすプロセスです。

人的資本経営とは、従業員の成長を支援するためのトレーニングや教育プログラム、社内コミュニケーションの改善、福利厚生の充実など、投資として様々な取り組み、中長期的な企業価値向上につながる経営のことです。

DX(デジタルトランスフォーメーション)推進や人的資本経営の課題

1.文化の変化

DX(デジタルトランスフォーメーション)組織全体の文化の変革を必要とします。

これには従来の業務プロセスやルール・意思決定の方法を見直し、デジタル化とイノベーションに対する柔軟なマインドセットを育み、行動変容が必要になります。

2.リソースとスキルセットの不足

DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するためには、適切なリソースとスキルセットが必要です。

しかし、組織内にデジタル専門家やデータサイエンティストなどのスキルを持つ人材が不足している場合があります。人材の確保や育成が課題となります。

3.レガシーシステムの統合

多くの組織は、古いレガシーシステムを使用しており、これらを新しいデジタルプラットフォームと統合することが課題となる場合があります。

システムの統合は複雑で時間がかかる場合があります。

4.データの品質とセキュリティ

DX(デジタルトランスフォーメーション)はデータ駆動型のアプローチを重視しますが、データの品質やセキュリティの問題は常に存在します。

データの正確性、信頼性、セキュリティを確保するための対策が必要です。

5. 変化の管理と組織的な抵抗

大規模な変革を実施する際には、組織内での変化の管理が重要です。

一部の従業員は新しいデジタルツールやプロセスへの移行に対して抵抗感を示すことがあります。

変化を受け入れるためのコミュニケーションや教育プログラムが必要です。

人的資本経営の課題

1.人材確保と採用

適切な人材を確保することは重要ですが、競争激化や特定の専門スキルの需要の高まりなどが人材採用を難しくする要因となる場合があります。

また、採用プロセスや選考基準の改善も課題となります。

2.スキルセットのアップデート

技術の進化や業界の変化に追従するために、従業員のスキルセットをアップデートする必要があります。

しかし、スキル開発や教育プログラムの実施にはコストや時間がかかる場合があります。

3.モチベーションとエンゲージメント

従業員のモチベーションやエンゲージメントを高めることは、生産性や組織の成果に直結します。

しかし、個々のニーズや要求の多様性に対応することは難しい課題となる場合があります。

4.リーダーシップと組織文化

効果的なリーダーシップや健全な組織文化は、従業員の成長や組織全体のパフォーマンスに大きな影響を与えます。

しかし、リーダーの育成や文化変革は時間と努力が必要な課題です。

5.人材の定着と離職率

人材の定着は企業の持続的な成長に重要ですが、競争の激化や働き方の多様化により、離職率の増加が課題となることがあります。

従業員の定着を促すためには、働きやすい環境やキャリア開発の機会を提供する必要があります。

組織の規模や業界によって異なる場合がありますが、人材計画や効果的なコミュニケーション、従業員の成長を支援する環境の整備など、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進や人的資本経営の実現には様々な課題があります。

この課題に対して、重要なポイントはいくつかありますが、「人」の成長やマネジメント強化に関して、心理的資本が大きな役割を果たします。

心理的資本の役割と関係性

心理的資本とは、ポジティブな心理的エネルギーで、行動につながる自信・意欲のようなものであり、 積極的な行動や自律的な目標達成を促すエンジンの役割を果たすという考え方です。

心理的資本は、人的資本や社会関係資本と相乗効果があると言われており、スキルや知識を身につけても実行できない、活用できない場合に、どのようなアプローチでその人的資本を実行し、活用するためのエンジンになります。

人的資本や社会関係資本は、時代・環境・目標の変化に合わせて常にアップデートが必要となる資本となり、心理的資本は知識・スキル取得やネットワークづくり、目標に向けた行動を起こす原動力になる資本です。

心理的資本が高いとパフォーマンスは最大化につながると言われており、特徴として、下記の4つが挙げられます。下記の4つの要素に注目しマネジメントをおこない、心理的資本を高めていきます。

①明確な志と、そこに向かい行動する力があること

②自分ならできるという自信があること

③自分の強みとなる資産を認識し、リスクを機会と捉え、乗り越え成長する力があること

④過去の経験を寛大に捉え糧にでき、現状に感謝することができ、将来に目を向けられること

また、組織の中における心理的資本の役割として、組織の成果につなげていくためには、個人の心理的資本に着目し、個人の態度・意思・行動のポジティブな変化を促すことで結果につなげていきます。

個人の持つ態度・意思・行動・結果のポジティブな変化が個人の成果や組織の成果に影響します。

批判や不満が見受けられる場合、適切なコミュニケーションでエンゲージメントを向上させる必要があります。

行動に関しても、欠勤したり、非生産的な行動をしている場合、信頼関係を築いた上でポジティブフィードバックが重要になります。

個人の心理的資本は開発ができるうえに安定しやすいため、組織の成果を最大化するためにも、個人の心理的資本の開発が好循環させる鍵となります。

まとめ

DX(デジタルトランスフォーメーション)推進や人的資本経営の課題の中で、文化の変化、リソースとスキルセットの不足、変化の管理と組織的な抵抗、モチベーションとエンゲージメント、リーダーシップと組織文化、人材の定着と離職率をあげています。

これらは、「人」の成長やマネジメント手法での影響を受けるものです。

そのほかのものが影響を受けないというわけではありませんが、「人」の行動変容によってポジティブにもネガティブにも変化し、心理的資本を高めることで解決できることにつながります。

個人の態度・意思・行動・結果を観察し、応援し、育成し、事業戦略の実現や事業成長に向けたコミュニケーションが重要です。

弊社では、顧客体験価値向上を起点とした営業戦略支援やカスタマーサービスの最適化、カスタマーサクセスの構築支援を行っています。

今後は、心理的資本によるマネジメント支援のサービス提供をおこないます。戦略を実行する上で「人」の力をどのように育成し活用するのか心理的資本の資格を持った担当がアドバイスをおこないます。

無料でのご相談もおこなっていますので、お気軽にお問い合わせください。

寄稿者

内山直幸(CX Value Lab株式会社シニアコンサルタント)

業界最大手の広告代理店にてセールス、事業企画、マネジメント業務に従事、最大手フリマアプリ企業のカスタマーサービスのマネジメント、医療系スタートアップの事業推進を経て、CX Value Lab株式会社に入社。

SaaSベンチャー企業の支援や中小企業のカスタマーサクセス支援、カスタマーサポート支援、新規事業・DX化支援、組織マネジメントの伴走支援を行う。グロービス経営大学院大学卒業(経営学修士・MBA)

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