コラム

CS(カスタマーサクセス)=CX(顧客の体験)+CO(顧客の成果)

2023.07.27

近年、企業の成功に欠かせない要素として、カスタマーサクセスが注目されています。

顧客の満足度を向上させ、ロイヤルティを高め、持続的な成長を達成するためには、それぞれの企業らしいカスタマーサクセスの実現、それに影響を及ぼすカスタマーペリエンスとカスタマーアウトカムの最適化が必要になります。

顧客との継続的な関係構築をおこなう事がカスタマーサクセス実現において大切であり、一度の取引だけでなく、顧客との継続的な関係構築により、顧客は信頼できると認識し企業やブランドに忠誠心を持つことにつながります。

顧客の体験を改善し、顧客が求めた成果を追求し続ける事でカスタマーサクセスの実現につながります。

カスタマーサクセスとは(Customer Success)

カスタマーサクセス(CS)とは、顧客の成功体験の最大化と、それにより発生する売上や利益の増加、以前の顧客体験よりも良質な体験に変化させる事を目的とした活動の事です。

顧客が製品やサービスを購入してから継続的に成功することを重要視し、そのために顧客と緊密に連携してサポートを提供します。

従来の顧客サポートは、顧客が問題を報告した際に修正方法や解決策を提供することが主な役割でした。

しかし、カスタマーサクセスでは、顧客が製品やサービスを最大限に活用し、目標を達成することを支援します。

顧客が成功することで、長期的な顧客ロイヤルティが認められ、顧客の成長や満足度が促進されると考えられています。

では、顧客にとっての成功体験や成果とはどういう事なのでしょうか。下記の2点が考えられます。

  • 自社の商品やサービスの導入により、顧客のビジネス・生活で具体的な実績が出ること(効率性・生産性の向上)
  • 顧客が自社の商品やサービスに満足したという実感を得たり、顧客の人生に利益が出ること(顧客満足度向上)

カスタマーエクスペリエンスとは(Customer Experience)

カスタマーエクスペリエンスとは、顧客が自社の商品やサービスを購入または利用する際に得る総合的な体験のことです。

商品の品質や機能だけでなく、顧客が製品やサービスを選ぶ段階から関係しており、購入、利用、サポート、アフターサービスまでの全ての接点が含まれます。

また、顧客が企業ブランドとの関わりをどのように感じ、どのような感情や印象を持つかに影響を与えます。

カスタマーエクスペリエンスの重要な要素をいくつか挙げます。

1つ目は、カスタマーサポートの充実です。

お客さまが問題や疑問を抱えたときに迅速かつ親切に対応することが重要です。 丁寧な対応や問題の迅速な解決は、お客さまの満足度を高めます。

マニュアル整備やFAQの充実、チャットボットによる自己解決を促進することがお客さまの満足度を高める事につながります。

2つ目は、ユーザーフレンドリーなインターフェースです。

製品やサービスを簡単に理解できる使いやすいデザインやウェブサイトは、お客さまのストレスを軽減し、良い印象を与えます。

お客さまがストレスを感じる場合、離脱の原因につながるため継続的な改善が重要です。

3つ目は、お客さまへの対応品質の標準化です。

お客さまからのお問いわせに対して、対応ルールやトークスクリプトなど、自社の商品やサービスを提供するうえでぶれてはいけない部分に関して統一した対応ができるようにします。

また、お客さまの意見を真摯に受け止め、改善や変更を行う姿勢が大切です。顧客の要望に対して行動を起こすことは顧客と考慮関係を築く要素となります。

顧客の要望に対して行動を起こすことで満足度も向上し体験価値の向上につながります。

また、顧客が企業のファンになる仕掛けや商品やサービスに愛着を持つ経験を与えることも重要です。

顧客のニーズ要望を冷静に、顧客の立場に立って提案やサポートをおこない、顧客との共感を示すことで、より強いつながりとなり良い体験の継続的にお客さまへ与える事になります。

カスタマーエクスペリエンスは企業が顧客に対して提供する全ての接点に重要な要素であり、顧客が良い経験を得ることで、企業のブランド価値を高め、競争力を強化し、長期的なビジネスの成長に繋がるのです。

カスタマーアウトカムとは(Customer Outcome)

カスタマーアウトカム(Customer Outcome)は、カスタマーサクセスの中心的な概念の一つです。

カスタマーアウトカムは、顧客が製品やサービスを使った結果、得られる効果や利益の事です。

顧客が望むアウトカムを見据え、それを達成するためのサポートを提供することで、長期的な顧客ロイヤルティを構築し、顧客の満足度を高めることができます。

たとえば、顧客が特定の製品を購入した場合、その製品が解決すべき具体的な問題やニーズがあります。

カスタマーアウトカムは、その問題が解決され、顧客が製品を効果的に活用することで得られる結果やメリットを考慮します。

製品の機能や満足性、顧客サポートの質など、様々な要素がカスタマーアウトカムに影響を与えます。

カスタマーアウトカムを重視することで、企業は顧客のニーズをより理解して、製品やサービスの改善に取り組むことができます。

そして、顧客が目標を達成し、成功を実感できることで、顧客との関係を強化し、競合との商品やサービスとの差別化をできることができます。

ヘルススコアとは

カスタマーエクスペリエンスを向上させ、カスタマーアウトカムを追求することは顧客ロイヤルティの向上と持続的な成長につながります。

そのために重要な要素の一つが、「ヘルススコア」の設計です。カスタマーサクセスの実現におけるヘルススコアの設計に焦点を当て、5つの要点を紹介します。

1.ヘルススコアとは何か?

ヘルススコアとは、顧客の状態や満足度を定量的に測定する指標のことです。

顧客の行動やエンゲージメント、利用頻度、フィードバックなどのデータを集約し、スコア化することで、顧客の健全性や成功度を把握することが可能です。

ヘルススコアは企業にとって顧客の状態を把握するダッシュボードのようなものであり、顧客のニーズを把握し、適切なアクションを起こす際の重要なガイドとなります。

2.カスタマーサクセスとの関連性

ヘルススコアはカスタマーサクセスの実現に不可欠なツールとなります。

カスタマーサクセスは顧客の成功を促進し、サービスや製品の価値を最大化することを目指します。

ヘルススコアによって、顧客がサービスをどれだけ活用しているか、満足しているか、目標を達成しているかが可視化されます。

それに基づいて、顧客のニーズや課題を理解し、適切なタイミングでサポートや提案を行うことができます。

3.ヘルススコアの要素と設計

ヘルススコアの設計においては、企業の特定の目標や顧客のニーズに合わせた要素を選定することが重要です。

顧客にとって重要な指標を特定し、それらを計測可能な形で組み込むことがポイントです。

例えば、アクティブな利用率、定期的なフィードバック提供、目標達成度などが含まれるかもしれません。

ヘルススコアの設計にあたっては、顧客とのコミュニケーションやデータ収集のプロセスをスムーズに行えるように工夫することが大切です。

4.ヘルススコアの活用とアクション

ヘルススコアを単なる数値の集合として眺めるのではなく、それを意味ある情報に変えるためには、適切なアクションを起こすことが必要です。

顧客が低いヘルススコアを示している場合には、その背後にある課題や問題を深堀りし、サポートを提供することで改善を図ります。

逆に、高いヘルススコアを持つ顧客には、さらなる付加価値やアップセルの機会を提供することで、ロイヤルティを高めることができます。

5.ヘルススコアの持続的改善

ヘルススコアは静的なものではありません。

顧客のニーズや市場環境の変化に合わせて、定期的に見直しと改善を行うことが重要です。

新たな要素の追加や指標の見直し、データの精度向上などが必要になることも考慮しておくべきです。

持続的な改善によって、顧客の成功と満足度をより効果的に支援することができます。

結論として、カスタマーサクセスを実現するためには、ヘルススコアの設計が重要な要素です。

ヘルススコアは顧客の状態を把握し、適切なアクションを起こすための貴重なツールです。

顧客の成功を促進するために、適切な要素を含むヘルススコアの設計と持続的な改善が必要です。

それによって、企業はより強固な顧客関係を築き、成長と競争力の向上を達成することができます。

まとめ

カスタマーサクセスの実現に向けて、顧客の体験と顧客の成果の最適化のために顧客のニーズや市場環境の変化に合わせて数値化し、顧客へフィードバックし続ける事が重要になります。

自社の商品やサービスによって、顧客がどのような体験をすることでファンになり愛着を持ってもらえるのかにこだわり、積極的に顧客へ関与し、強固な関係を築いていきます。

弊社では、顧客体験価値向上を起点とした営業戦略支援やカスタマーサービスの最適化、カスタマーサクセスの構築支援を行っています。

また、人材育成支援として心理的資本を活用した支援も行なっております。

カスタマーエクスペリエンスを向上させ、カスタマーアウトカムを追求することは顧客ロイヤルティの向上と持続的な成長につながります。

無料でご相談をおこなっていますので、お気軽にお問い合わせください。

寄稿者

内山直幸(CX Value Lab株式会社シニアコンサルタント)

業界最大手の広告代理店にてセールス、事業企画、マネジメント業務に従事、最大手フリマアプリ企業のカスタマーサービスのマネジメント、医療系スタートアップの事業推進を経て、CX Value Lab株式会社に入社。

SaaSベンチャー企業の支援や中小企業のカスタマーサクセス支援、カスタマーサポート支援、新規事業・DX化支援、組織マネジメントの伴走支援を行う。グロービス経営大学院大学卒業(経営学修士・MBA)

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