2022.11.01
前回の記事で、「カスタマーサクセス」の定義・背景・ミッションについてお伝えしました。今回は、「カスタマーサクセス」と「カスタマーサポート」の違いについてお伝えします。
目次
カスタマーサクセス(CS)とは、顧客の成功体験の最大化と、それによって発生する売上や利益の増加、以前の顧客体験よりも良質な体験に変化させる事を目的とした活動のことです。
顧客起点で上記2つのことを実現させることがカスタマーサクセス=顧客の成功となります。
カスタマーサクセスとは?現代ビジネスに欠かせない重要性や役割をわかりやすく解説
カスタマーサポートとは、顧客の課題を解決するその活動になります。
顧客からの問い合わせにメールや電話、チャットといったいくつかのチャネルで対応します。
問い合わせ内容については、商品やサービスの使い方や説明であったり、クレーム処理まで多岐にわたり対応します。
問い合わせの発生状況によっては企業は、にコールセンターやコンタクトセンターを設けてカスタマー対応をします。
カスタマーサポートの主な業務内容は大きく3つあります。
1つめは、企業によって設定されたチャネルでの対応です。
電話・メール・チャットなどツールを使った問い合わせ対応です。最初に、商品やサービスを導入した顧客の疑問点や不平不満及びクレームに対し、すみやかに課題解決します。
2つめは、顧客情報を一元管理するための問い合わせ対応と顧客管理の連動です。
顧客情報を一元管理することで、顧客からの問い合わせに対して、対応の重複を防いだり、継続している課題に対して、どの担当者が対応してもスムーズな引き継ぎが可能にします。
3つめは、顧客への対応オペレーションの品質標準化目的とした業務ナレッジの共有・一元化です。
FAQを作成して顧客の自己解決率を促進したり、業務の属人化を防ぐために社内・社外向けのマニュアル作成をします。
カスタマーサクセスとカスタマーサポートでは、目的・姿勢・指標・ゴールが違います。
顧客が商品・サービスの導入・利用に対して、カスタマーサクセスは「攻め」の姿勢、カスタマーサポートは「守り」の姿勢による顧客対応と言われています。。
また、カスタマーサクセスとカスタマーサポートでは活動の起点が異なります。
カスタマーサクセスは「顧客がサービスを利用しはじめた時」が起点となり、顧客の不満の未然防止・解約防止・顧客満足度の維持によるLTVの最大化を実現するべき成功体験を提供する必要があります。
商品やサービスを使ってもらうではなく、使うことで課題が解消し顧客満足度が長期的に維持されること、想定通りに使える状態を提供し、効率的な活用を促すことが重要とされます。
一方、カスタマーサポートは「顧客の不満」が起点となり、問題や不平不満が表面化してからの対応になります。
顧客の不満を迅速に解決し不満を残さないことで、マイナス状態の顧客をゼロにすることを目的とします。
解決できたのか、解消したのかを指標にしたり、対応時間・対応件数・顧客満足度などが指標になります。
商品やサービスが適切に使える状態を提供するためのアフターケアになり、顧客から問い合わせが発生しな限り顧客との接点が発生しません。
LTV(ライフタイムバリュー)の意味や計算方法を事例をつかって解説
前回のコラムでも紹介しまたが、
①サブスクリプションモデルの増加、②シェアリングエコノミー化、③市場の成熟化・コモディティ化により既存事業において、
①顧客と企業の関係の変化、②消費者の購買ニーズの多様化、③求めらるサービス提供の質が変化、④デジタル普及、テクノロジーの進歩により、強みが長続きしないという状況が発生しています。
そのため、事業成長・継続には、顧客に「成功体験」をもたらすことで、顧客の状態をゼロからプラスにすることが必要とされています。
他方、顧客の問題を迅速に解決し、顧客のマイナス状態をゼロに戻すことを目的としたカスタマーサポートでは実現できません。
カスタマーサクセスは「攻め」の姿勢で顧客の成功について取り組むため、顧客が何を求めているのか、困りそうなことは何なのかに気づきやすくなります。
ユーザーの潜在的なニーズに顧客よりも先に気付くことで、解約防止をおこない継続利用を促進しLTVの最大化を図ります。
既存顧客に長期利用を促し、適切な利用が実現されていることでアップセルやクロスセルをおこなる環境がうまれるため事業の成長に貢献できます。
顧客に伴走支援することで信頼関係を構築し続けることで事業の成長へとつながります。
ただし、顧客の体験を考えた場合、カスタマーサポートが重要でないという訳ではなく、どのようにしてカスタマーサポートをカスタマーサクセスと連動させていくのかが事業成長のポイントになります。
お問合せは、商品・サービスの導入により発生します。
その時に、いかにしてお問い合わせさせないかによって顧客ロイヤリティが変化すると言われています。
必要なお問い合わせを除き、顧客に電話させない、チャットさせないというサポート面での環境整備が重要です。
また、期待している価値に対して適切なサービスや支援は必要ですあり、顧客の利用する時の体験を意識したサービス提供が求められます。
お問い合わせに対して迅速な対応をしなければ、アップセルやクロスセルのカスタマーサクセス活動を行う際に満足度が低く制約できなかったり、もしくは、不満がたまっており、かえって解約につながる場合も予測されます。
顧客の体験であるカスタマーエクスペリエンスを、カスタマーサポート、カスタマーサクセスのそれぞれの活動において連動させ、適切な伴走支援により顧客ロイヤリティを意識する取り組みが重要です。
カスタマーサクセスとカスタマーサポートには取り組む上で共通点もありますが、指標やゴールは異なり本質的にはまったく違う役割になります。
顧客への関わり方、活動起点が異なるため、顧客体験を意識した継続的かつ効率的な取り組みが必要です。
どちらかを強化しておこなう訳ではなく組織としてそれぞれの取り組みが顧客目線で設計され、組織内で継続的に実行される体制作りを意識しましょう。
弊社では顧客体験価値を企業の強みにしていくための、コンサルティングを行なっています。
具体的にはカスタマーサクセスの支援、顧客を起点とした新規事業の創出やマーケティング、カスタマーサービスの効率化の支援など、貴社の顧客体験価値を成長させるための伴走支援を行なっています。
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内山直幸(CX Value Lab株式会社シニアコンサルタント)
業界最大手の広告代理店にてセールス、事業企画、マネジメント業務に従事、最大手フリマアプリ企業のカスタマーサービスのマネジメント、医療系スタートアップの事業推進を経て、CX Value Lab株式会社に入社。
SaaSベンチャー企業の支援や中小企業のカスタマーサクセス支援、カスタマーサポート支援、新規事業・DX化支援、組織マネジメントの伴走支援を行う。グロービス経営大学院大学卒業(経営学修士・MBA)
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